MLB Networkで言っていたのですが、なんでも約50年ぶりに今季のMLBで先発投手の防御率が、リリーフの防御率を上回っているという話です。

数字をちゃんと自分で探して書いている話ではないので、この「先発投手」「リリーフ」の定義がどうなっているのかの前提が掴めていません。昨年から始まったオープナーという新しい投手の起用法が今季は複数のチームに広がっており、先発投手にオープナーの成績が含まれているのか、オープナーの後をうけて投げたその試合の主戦投手の成績は先発・リリーフのどちらに含まれているのかがわからないままで議論を進めるのはおかしな話なので内容には突っ込みませんが、MLB Networkの解説者たちの見解ではリリーフの登板過多がリリーフの成績を押し下げ、先発投手の投球回数の減少が先発投手の数字を見栄えよくしている、ということでした。

2017年のオフに書いた記事でNew York Metsが先発投手の投球回数を激減させる案を打ち出していたことを取り上げました。これ、わずか1年半前の話なんですけど、いまとなっては既に古い感じのする案です。打ち出された当時はかなり斬新な印象だったもんですが。

結果的には2018年のMetsは自ら打ち出した新案を導入することなく旧来の先発投手の起用を続けました。そしてそのシーズンでは二枚エースの一人Jacob deGromが「7イニング投球、自責点1または0」といった素晴らしい成績を残しながら見殺しにされ続けるという事態となりました。217イニングを投げて10勝9敗、防御率1.70。10勝9敗の成績でCy Young賞を受賞するという珍現象となってしまったわけです。あれだけ散々見殺しにされまくるつらいシーズンだったのが、最後にCy Young賞を受賞できたことでdeGrom本人は溜飲を下げたと思われますが、同時に「7イニング投球、自責点1または0」というような快投がこれから過去のものになっていく過渡期の受賞にもなったかもしれないなと思います。

Metsが大胆な投手起用改革を観測気球で打ち上げながら実行しなかった裏でTampa Bay Raysのオープナーという新しい投手起用が登場したのも2018年シーズン。そして明けた2019年シーズンにはオープナー起用は他球団に広まり、先発投手の成績上の復権もなされている。他方昨年のポストシーズンでのMilwaukee Brewers Josh Haderが役割は中継ぎながら実際は投手陣全体のエースとなるパラダイム転換というイベントもあったりで、このたった1年半でMLBの投手起用はすごく変わったなと感心しています。

当ブログでは以前から次期CBAを通してロースターの拡大の可能性を考えてみているわけです。救援投手の登板過多という新しいテーマが出てきたこともまたその問題に関わってくる面があるのかもしれません。またはHaderがそうだったようにリリーフエースの登板日の調整ということを考えて試合を組むということがレギュラーシーズンでも行われるようになったりするのかも。

こういう変化というのはじっくり見ているファンにしか見えないおもしろさなので一般のスポーツファンに訴求しえないのは残念ではありますが、MLB本体が(コミッショナーが、でしょうか)MLBのルール改革を怠っている中、現場はすごいスピードで進化しているなというのは静かに興奮できる話のようにも思います。