昨夜の年間優秀アスリートを表彰するESPNの番組であるESPYで女子の最優秀選手にAlex Morganが、最優秀チームにFIFA女子W杯で優勝したばかりのサッカー米女子代表チームが選ばれて気勢を上げていました。まあ旬ですしそうかなと。
W杯でGolden BootとGolden Ballを両取り、オフフィールドでもオピニオンリーダーとして明らかにMorganより目立っていたMegan Rapinoeではなく、Morganの方を選んだ辺りは、あまりPinoに目立つ場で喋らせないでおこうという意図がどこからかあったのか。それとも非サッカー国のアメリカらしく判断基準がゴール数だけになってしまうとMorganという判断なんですかね。
Morganはとにかくインタビューがつまらないのがなあ。今だとPino、以前だとAbby Wambachは話がうまかったもんですが。


さて米女子代表が大いに恩恵を受けたVARの採用。VARで何本もPKをもらい、イングランド戦でぎりぎりのオフサイドでイングランドのゴールが取り消され、VARでのレビューが行われず米代表の制限区域内ハンドが見逃されて逃げ切ったフランス戦があったり。フランス戦のあれはVARの運用が雑で進歩の遅いサッカーらしい事象ですね。恩恵を受けた側のアメリカスポーツマスコミではこの件はほとんど触れられることもなく忘れ去られようとしてますが、VAR全般は概ね好評といえそうです。
大会が進んでからは各国のディフェンダーが後ろ手を組むハンド防止策がより多く見られるようになってきてこれはこれで良かったのだろうと。

女子大会でのVARの採用については一悶着ありました。先に男子の方で採用になったのが女子の方では採用が遅れた。それに対して「審判の技量が劣る女子大会こそVARがより必要なのだ」という論法で導入の推進がされ今回実際に採用されたわけです。女性審判の技量が劣るから、というのは男性が言うと差別発言にされてしまいます(本当はこれはおかしいんですけど)ので、声をあげるのが遅れてしまったのはまあそんなもんかと。世界各国に数限りない試合数のある男子サッカーで場数を踏んでいる男性審判と、女子サッカーの普及していない国(=ほとんどすべての国)から来た女性審判では技量に差があるのは当然なのですが。

技量が劣る審判だからこそビデオ判定を先に導入すべきというのはアメスポだと事例があります。審判がボランティアで運営されている少年野球のLittle League World SeriesがMLBよりも先にビデオ判定を導入したというのがありました。既に10年以上の歴史があります。アウトセーフの判定間違い(TVだと視聴者に明確に誤審とわかってしまう)で試合が決まってしまうと無報酬の善意での参加なのに審判は強い批判にさらされる、それをビデオでアシストすることで審判への負担を減らしたというわけです。そこまで早い段階で考えて推進した。
そういう理屈でMLBより先にLLWSで採用するアメスポ。女子W杯にコストが云々言って採用しなかったFIFAと、女子W杯よりも遥かに規模の小さい少年野球でビデオ判定を早々採用するアメスポ。いろいろアメリカ人らしい発想といえるのでしょう。

VARがあっても見逃しが出るというのは人為的な問題です。そしてそれは事前に予想できる事態なのに放置して、実際にそれが勝敗に関わった。この辺の議論がなかなか進んでいかない、予想できる問題を放置してしまうのは非アメスポ的かなあと思います。