いやはや大変な試合になったものです。両軍監督は投手起用で苦悩したでしょうが、高いチケットを買って入場した6万人のお客さんにとってはチケットの価値の分以上のエンタメになったのではないでしょうか。

MLB New York Yankees x Boston Red Sox戦@London Stadiumの二連戦の初戦が土曜日に開催。最終スコアは17-13でYankeesが勝ってMLB初の欧州での公式戦を飾っています。初回の裏表で丸1時間を要する大変なスタート。1回表にYankeesがRed Soxの先発Rick Porcelloを捉えてめった打ち。6点を奪って1回持たずノックアウト降板。今季猛威を奮うYankees打線の威力をロンドンの地でもお披露目したというスタート。YankeesのAaron Boone監督も笑いを噛み殺してベンチにいるのが映っていたのですが、笑っていられたのはこの1回の表だけ。
1回裏にYankees先発エース格のMasahiro Tanakaが炎上。こちらも次々と打たれてピンチ。同点となる3ランホームランが着弾したときには私、爆笑してしまいました。6−6。なんだこれは!と。こんなめちゃくちゃな試合が注目の欧州遠征試合で実現してしまうんですね。TanakaもKOを食ってこちらも1イニングもたず。あーあ。

その後はYankeesが17得点として一時点では大きく引き離したものの、Red Soxもその後粘って一打同点のチャンスなんかも巡ってくる乱打戦。Yankeesは17点もとったのに結局クローザーのAroldis Chapmanまで投入せざるをえなくなりました。
両軍合計30得点は、2000試合以上の歴史を持つYankees x Red Sox戦で過去二番目に多い得点だったそうです。最多は31得点だったので終盤にもう1点入れば記録だったんですが。

彼の地で久々に、または初めてMLBの試合を生で見る人にとっては、打つべき選手が打ち、両軍のファンが興奮する場面がいくつもあり、ホームランも見られて、Chapmanも見られて、の試合。
公式には今回の遠征は2試合ともRed Soxのホームゲーム扱いで後攻ですが、着用ジャージはYankeesもRed Soxもホームジャージ着用。これはけっこう良かったんじゃないかなと思いました。ボストンやニューヨークに縁があって昔に地元で応援していたそのジャージ姿をロンドンで見られたことになります。
また8回にはFenway名物ニール・ダイアモンドが歌うSweet Carolineも流されてFenwayに通ったことのあるファンたちが大喜びで合唱。その脇でなんのことかわからないという顔をして座っていたのは英国人ファンですかねー。

放送中の情報ではチケットの70%が英国内で売れたということでした。残りの30%のいくらかはアメリカから遠征の応援、またいくらかは英国以外の欧州在住者が購入というところですかね。ニューヨークはビジネス金融で、ボストンは学問などで欧州とのつながりも比較的強い街なので元在米だった英国人、現在在英のアメリカ人がかなりいたとしても不思議ではありません。
来年はChicago CubsとSt. Louis Cardinalsがロンドン遠征を予定しているそうですが、ChicagoはともかくSt. Louisと英国ってなにか縁があるんですかね。あまり来季寂しい入りになってほしくないですが。

あと7回のTake Me Out to the Ball Game、やっぱり良いですね。このほのぼのさが。アメリカから離れた在外アメリカ人ファンにとってはこの曲が感じさせる郷愁というのは特別なものがあるんじゃあないでしょうか。
近年はアメリカ国内の愛国表現への希求なのか要請なのかわからないですが、God Bless America歌唱を優先する場合が多い。別にそれがいけないとは言いませんが、あのTake Me Out to the Ball Game♪ にそのまま直接行く楽しさ気楽さの方が良いよなーと思わないではいられなかったです。