ホッケーIIHF世界選手権が今年も開催。米代表・カナダ代表がそれぞれ完敗でグループリーグ初戦を落としてます。米代表は開催地元のスロバキアを相手に1-4。8カ国総当たりの長いグループリーグなので徐々に浮上してくるはずですが、現時点では1戦1敗得失点差-3で最下位スタートになってます。

ホッケーの世界選手権は毎年この時期、NHLのプレーオフ後半に重なって開催されています。各国の代表にはNHLでシーズンを終えたチームの選手が参加可。選手本人の自由意志で参加。米代表はChicago Blackhawksの人気選手Patrick Kaneが代表主将を務める他、Ryan Suter(Minnesota Wild)、Jack Eichel(Buffalo Sabres)などプレーオフを逃したチームからスターが参加。これに加えて先日U−18大会で活躍したU-18米代表主将のJack Hughesもメンバーとなってます。

この大会は例年、NHLプレーオフ一回戦二回戦で敗退したチームの選手が遅れて合流してくることがあるのが他のスポーツではほとんど例のない特徴です。プレーオフで惜しくも敗れて、そのままオフで休業へではなく、国の代表に合流してまだホッケーをやる選手もいるのです。ホッケーが好きなんだねーと言いたくなる、なかなか楽しい裏の大会なのです。


途中から参加というとそういえば野球のWorld Baseball Classicで前回2017年だったかで、Los Angeles DodgersのクローザーKenley Jansenがもしオランダが勝ち進んだら後から追加で代表参加出場するかも、という話があったことがありました。実現はしなかったわけですけれど、そういうのって良いなとも思ったものです。ホッケー以外だとこういうことが起こりうるのはWBCぐらいではないでしょうか。堅苦しいことを言わずホッケーのように選手の入れ替えには柔軟であっても良いんじゃないですかね。

当ブログにコメントをいただく中で感じることのひとつに、WBCをなんとかもっとベスト中のベストのメンバーを揃えた人気大会にしたいという気持ちを持つスポーツファンが日本にはかなりいるんだな、というのがあります。まあたぶんサッカーW杯に対するコンプレックスが動機なのだと推察しますが、スポーツの世界大会というのはそういうものばかりではないわけです。上述した通りホッケーの世界選手権は毎年NHLプレーオフの裏で、プレーオフに出られなかった選手と、欧州各国のリーグの所属選手などで構成されて「世界」の優勝を競っています。それがいけないともおもしろくないとも私には思えないです。
例えば今年はロシアの有力選手の所属NHLチームが早めに敗退したため、Alexander Ovechkin、Evgeni Malkin、Ilya Kovalchuk、Evgeny Kuznetsov、Nikita Kucherovなどなど豪華メンバーが揃ってます。これに二回戦で敗退したColumbus Blue JacketsのG Sergei Bobrovskyも合流するかもなんてロシアファンは盛り上がっています。実際はBobrovskyはFAなので出ないんじゃないかと私は思いますがどうなるか。
で、たまたま今年のロシアはベストメンバーに近いんですが、米代表やカナダはそうではない。カナダは例えばSidney Crosbyがプレーオフ一回戦敗退済みですが世界選手権は出場回避。だからこの大会に意義がないとか権威がないとか悲観するホッケーファンがいるとは思いません。これはこれで良いのです。しっかりした長い拘束期間を持つプロリーグが世界のいくつもの国で展開されている人気スポーツなのですからそうそう都合よく時期が空くわけではなく、どっかこっかスケジュールが引っかかるのも仕方ないのです。選手の移籍や体調、契約状況その他の理由で出場しない自由も当然尊重すべきでしょう。

ホッケーの世界選手権と比較すれば野球のWBCは米代表を除けばほぼ各国ベストメンバーが揃うのですからよほど豪華で充実しています。米代表にしてもスーパー・ベストではないにしても恥ずかしいようなメンバーでは決してない。それで足りないという悲観が日本から聞こえてくるのは少々奇異に感じます。そして実際のWBCの試合や大会は好試合や意外なチームの奮戦が随所に見られるとても良い大会のように私には見えます。このままで続けて行って良いように思うのですが、どうなんですかね?