ストーブリーグがまるで盛り上がらないMLB。昨オフに続いて今オフも大物FAの行き先が決まらないので各チームの編成が進んでいかない。昨年の今頃は「まるで決まらない。いつになったら決まるのか。行き先の決まっていないFAは○○人」であるとか、代理人たちが交渉の進まないイライラをぶつけて球団を非難したというニュースなど、決まらないこと自体がニュースとして盛り上げになっていたのが、今オフはそれも話題にならなくなってしまいました。球団側は財布の紐を緩める気配もなくマスコミもファンも馴れてしまったようです。昨年の例から類推してキャンプ開始時になっても決まらなくてもさほどのニュースにならないのでは。FAになった選手にとってはキツいでしょうが、FAになるタイミングは運の面もありますから。来季以降もFAを回避できる選手は回避するようになっていきそうです。
そんな中でMLBのオフの話題として改めて取り上げられているのが2Way Playerの勃興です。日本風に言えば二刀流。例えばこんな記事がありました。White Soxのマイナーの野手が球団に投手としての練習をしたい、その許可を得たいと上申して認められてこの春は二刀流としてキャンプ入りしそうだということです。他にも二刀流の志願者が各チームのマイナー組織で増えているし、メジャーチームも限られたロースターを有効に使うために二刀流選手の調査を鋭意行っているというのです。
MLBでは連戦が続くため大敗モードの試合では限られた頭数の投手陣の負担を避けるため野手を投手起用することがままあります。野手が投手として投げ、急造の捕手が受けた試合もあったのだとか。捕手3人が常態のNPBとは違って2人態勢のMLBだと捕手も常に手薄です。
そういう中、野手でショートリリーフででも登板ができる選手がいたら狭いロースターの中でアドバンテージがとれる可能性があるのではないか、と調査しているってわけですね。選手側から見れば上に上がるために自分の価値を少しでも高める可能性の追求としての二刀流志願であろうと記事は推測しています。
リンク先の記事も触れている通り、この新たなトレンドを作り出したのは2018年新人王Shohei Ohtaniの鮮烈デビューが理由です。過去一顧だにされなかった二刀流をあれだけ鮮烈にやってのけたOhtaniが、若い選手たちのハートに火をつけたということになります。
現在MLBは戦術上の革新が様々な面で進んで大きな進化を遂げている時期でもあり、フロントも旧来のやり方から脱却することを強く求められている。そのタイミングで二刀流という古くて新しい選手の形態が提示されたことで、フロントも「ひょっとしたら」とその可能性を考えるだけ柔軟になっていたと言えるわけです。以前なら「ケガをする」「どっちつかずになる」と常識的判断をしてきてそれで済んでいたのが、常識に囚われること自体がフロント背広組として失格なトレンドがMLB全体にある中で、二刀流がトレンド化する下地になったということでしょう。
NPBでも賛否両論あったOhtaniの二刀流。結果として言えばOhtaniがNPBを通過したことでMLBの戦術・選手育成にもインパクトを与えたということになります。日本でのドラフトを回避して直接MLBのマイナーに配置されていたら二刀流は潰されて存在していなかったとしても不思議ではないでしょう。
こういう風に自他ともに認める最強ベースボールリーグのMLBに、NPBがアンチテーゼを提示できるというのはなかなかファンタジーがあって面白いと思います。
そんな中でMLBのオフの話題として改めて取り上げられているのが2Way Playerの勃興です。日本風に言えば二刀流。例えばこんな記事がありました。White Soxのマイナーの野手が球団に投手としての練習をしたい、その許可を得たいと上申して認められてこの春は二刀流としてキャンプ入りしそうだということです。他にも二刀流の志願者が各チームのマイナー組織で増えているし、メジャーチームも限られたロースターを有効に使うために二刀流選手の調査を鋭意行っているというのです。
MLBでは連戦が続くため大敗モードの試合では限られた頭数の投手陣の負担を避けるため野手を投手起用することがままあります。野手が投手として投げ、急造の捕手が受けた試合もあったのだとか。捕手3人が常態のNPBとは違って2人態勢のMLBだと捕手も常に手薄です。
そういう中、野手でショートリリーフででも登板ができる選手がいたら狭いロースターの中でアドバンテージがとれる可能性があるのではないか、と調査しているってわけですね。選手側から見れば上に上がるために自分の価値を少しでも高める可能性の追求としての二刀流志願であろうと記事は推測しています。
リンク先の記事も触れている通り、この新たなトレンドを作り出したのは2018年新人王Shohei Ohtaniの鮮烈デビューが理由です。過去一顧だにされなかった二刀流をあれだけ鮮烈にやってのけたOhtaniが、若い選手たちのハートに火をつけたということになります。
現在MLBは戦術上の革新が様々な面で進んで大きな進化を遂げている時期でもあり、フロントも旧来のやり方から脱却することを強く求められている。そのタイミングで二刀流という古くて新しい選手の形態が提示されたことで、フロントも「ひょっとしたら」とその可能性を考えるだけ柔軟になっていたと言えるわけです。以前なら「ケガをする」「どっちつかずになる」と常識的判断をしてきてそれで済んでいたのが、常識に囚われること自体がフロント背広組として失格なトレンドがMLB全体にある中で、二刀流がトレンド化する下地になったということでしょう。
NPBでも賛否両論あったOhtaniの二刀流。結果として言えばOhtaniがNPBを通過したことでMLBの戦術・選手育成にもインパクトを与えたということになります。日本でのドラフトを回避して直接MLBのマイナーに配置されていたら二刀流は潰されて存在していなかったとしても不思議ではないでしょう。
こういう風に自他ともに認める最強ベースボールリーグのMLBに、NPBがアンチテーゼを提示できるというのはなかなかファンタジーがあって面白いと思います。
先日の話題では、データから導き出された戦術が過去の戦術を否定し常識を変えている、ということでした。しかし、Ohtaniが二刀流を始めた時点で、というか恐らく現時点でも「二刀流の方が良い」という(セイバーメトリクス的な)データはないはずです。つまりデータをすべての正義とし、それをスタート地点として考える限り、"絶対に"二刀流という結論に至らないはずです。
「これまでの常識の否定」という点では同じですが、「データによる否定」と「データの否定(データ無視)」という真逆の事象が同時進行的にトレンドをつくっている面白い状態です。(「データの否定」の部分が日本発というところも、文化的な違いを感じさせます)
drbcs
がしました