Gregg Berhalterがサッカー米代表の監督に就任したわけです。任期は2022年次期W杯終了まで。

代表監督選びはかなり迷走しました。
当ブログでも既報の通り米代表のGMであるErnie Stewartが代表のstyle of playはGMである自分が決める。それを人選・戦術に落とし込むのは新監督の仕事」とGM就任時に公言。サッカー後進国なのにそんなことを言って新監督に全権がないと言ってしまっていいのかと危惧したのがどうも当たっていたようで、なり手がいないまま昨夏のW杯が終了、有力監督候補が各地でフリーになっても米代表監督は決まらず。その後軌道修正してGMの口出しはもっと少ないのだと口の拭ってみたわけです。軌道修正しても結局海外の有名監督・実績のある監督の獲得にはいたらず、前代表監督が辞任してから14ヶ月を要して選んだのが身内のBerhalterかあというのが正直な感想でした。

GMのStewartは新代表監督Berhalterとともに米代表で選手として2002年の日韓W杯でプレー、要は顔なじみ、後輩です。Berhalterはその次の2006年ドイツW杯まで代表として選ばれてます。

Berhalterのコーチとしての実績で最大のものはMLS Columbus Crewで2015年にMLS Cup(=プレーオフ決勝)まで導いたこと、およびCrewでの監督5シーズンで4度プレーオフに到達したこと、ということになります。ものすごく有り体に言って内弁慶な実績です。約半数のチームがプレーオフに進出できるMLSで連続プレーオフ進出が突出した実績とはとても言えない。
W杯出場失敗で米代表チームは大改革をしなくてはいけないと大騒ぎをした挙げ句の人選が、W杯で弱小国だったころの元米代表選手で、MLSでしかほとんど実績がない監督ですか、という。

そもそもGMのErnie Stewartが何を目指していたのかがわからない。はっきりとどんなスタイルか公言しないのに次期監督は自分の目指すスタイルを戦術に落とし込む役だと言っていたのですから、迷走してもしかたなかったわけです。Ernieの目指すスタイルに合っていたのか、もう時間切れで仕方なくかはわかりませんが、採用したBerhalterが得意とするのはポゼションサッカーです。

Berhalter在任中のColumbus Crewはポゼション型サッカー。たぶんMLSで最もポゼションを重視していたチームでしょう。見ていておもしろいかというと個人的な好みを言わせてもらうならおもしろくない。多くのサッカーファンはポゼション型サッカーというとかのBarcelonaを連想するのでしょうが、あれは足下の技術やサッカー勘がないと意味がない。遠巻きにしてボールを回してポゼッションの時間が数字上増えて、ポゼションサッカーです!と言っても勝ちには繋がりません。そんな相手にボールを持たされているようなサッカーはどなたも見たことがあるはず。

米代表の選手たちにポゼッションサッカーができるのかどうかも疑問の多いところ。足下の技術という意味では一般的にアメリカ人サッカー選手はお世辞にもうまいとは言えない。自信がないのでちょっとプレッシャーがかかるとすぐにバックパスで後ろに戻してしまうのは代表でもMLSでもよく見かけたところ。あれ、たぶんそういう指導がアメリカサッカー界のほとんどのユース年代でされているのだと思います。悪習というよりは、アレをしないと危険なボールロストが発生しまくるのでしょう。

いずれにせよしばらくはBerhalter式のポゼッションサッカーを試みるしかないのでしょう。いままでやってこなかったことをやらせるわけですからどうなるかはわかりません。
1月末〜2月初旬にBerhalter指揮下の初陣が予定されています。対パナマ戦と対コスタリカ戦。米代表を差し置いてCONCACAFから昨年のW杯へ参加した2カ国。次のサイクルでもW杯出場枠を得るための直接の競争相手となるであろう2カ国を迎えての腕試し。新監督採用のタイミングが大きく遅れたのでこの直接対決で新監督の戦術が浸透して、さらにそれが効果を上げるというのを期待するのはたぶんムリなんでしょうが、それでもなにか希望の光は見せたいところなような。