Carrier Domeというのはカレッジバスケの名門であるSyracuse Orangeのホームスタジアムです。フットボールとバスケ(さらにはラクロスも)が共用。バスケの場合は半分に仕切って使用します。その場合の収容上限は35,000人ほど。フットボールでは約50,000人収容。上限が大きいのでビッグマッチになると大観衆が詰めかけ、その結果カレッジバスケの平均動員では全米最大規模、平均26,000人ほどのファンを集めます。

そのCarrier DomeにNo. 14 Buffaloを迎えての試合が昨夜ありました。カレッジバスケでSyracuseは名門。一方Buffaloはメジャースポーツで強かった時代がありません。カレッジフットボールファンならBuffaloは一時期全敗シーズンやそれに近いシーズンを続けていたのをご記憶かもしれません。
Buffaloのバスケチームは今年3月昨季のNCAAトーナメントの一回戦でその後NBAドラフトで全体1位指名となったDeAndre Aytonを擁するNo. 4シードArizonaを89−68で完勝アップセットで名を上げました。勝ち上がったあとの二回戦ではNo. 5シードのKentuckyに完敗してトーナメントを去ってますが、爪痕を残したというトーナメントでした。
それで自信を持ったBaffaloが10戦全勝、今季まだ無敗でニューヨーク州内の名門校Syracuseへ乗り込んだという試合だったわけです。車で2時間ほどの距離とか。

Syracuseという街はニューヨーク州の外れにあり、大都市圏からは大きく離れ、また州内や近隣州にライバルと言えるような学校も少ないのもありビジターのファンが多く来るというのは珍しく、Carrier Domeはほぼ常にSyracuseのチームカラーのオレンジ色一色になるのが常です。ところがこの日はどうでしょう、ざっと見4割ほどがBuffaloのチームカラーの青色で占められていました。昨季の大アップセットで注目を集めた同校のOBが州内のバスケエリート校のSyracuseとの対戦に勇んで駆けつけたということなんでしょう。こんな色のCarrier Domeの風景は初めて見ました。

試合の方は試合開始からずっと地元Syracuseがリードしていたんですが、試合時間が残り10分となった辺りでついにBuffaloがチャージ。3ポインターなどで抜き去るとそのまま勝ちきって、最終スコアは71−59。力強い勝ち方。地方の弱小校がたまたま無敗で来ているというような勝ち方ではない、自信に溢れた勝ち方で感心しました。ファースブレイクでSyracuseの伝統のゾーンディフェンスがセットできない場面が多数。
Buffaloはこれで11戦全勝。対Syracuseでの勝利は1963年以来とか。今季は既に当時No. 13だったWest Virginiaにも勝っており、Syracuseにも勝利。次戦は@No. 20 Marquette戦が待ってます。もしMarquette戦でも勝てるようだとマイナーカンファレンスからのat-largeでのNCAAトーナメント出場が目指せる立場となるのでしょう。
こうやって急激に伸びてくる学校があるというのはカレッジバスケの楽しみのひとつですね。そしてそれにちゃんとファンが付いているというのもすごいかなと。アメスポの支持層の深みを感じるところです。