カレッジバスケットボールで長年使われてきたRPIに代わる尺度としてNET(NCAA Evaluation Tool)ランクの初回分が発表になっています。RPIは3月のMarch Madnessの足切りや、シード順の決定に際して広く使われてきたランクでしたが、それをNCAAが独自に開発した新しい計算法を用いたNETが今後は使われることになります。
RPIもそうでしたがシーズンの浅い段階では意外なチームが上位に来てみたり数日で乱高下があったりというのは宿命みたいなものです。今の時期にランクを見て右往左往すべきものではないのは確かです。RPIの計算式は広く共有されて多くのスポーツサイトでシーズン中毎日ランクがアップデートされる形になっていました。NETもそうなるんでしょうか。

史上初のNETランクのトップとして登場したのはAPランクでNo. 16のOhio State。フットボールの強豪校ですが、バスケはグレードが下がる同校ですが6戦全勝。アウェイでCincinnati, Creightonを破ったのが効いてのトップ発進。CincinnatiもCreightonも対Ohio State戦の敗戦以外は全勝です。

由緒あるAPランクの方で僅差でNo. 1になったGonzagaは新NETランクでは5位。Gonzagaが直接対決で勝った前AP No. 1のDukeはNET6位発進。Gonzagaと僅か6ポイント差でAPランクでNo. 2となったKansasはNETで11位評価。GonzagaがDukeに勝ったのや、DukeがNo. 8 Auburnに、KansasがMichigan StateやNo. 6 Tennesseeに勝ったのはすべて中立地の試合なんですよね。たぶんそれゆえに評価が純アウェイでまずまずの難敵を下したOhio Stateよりも評価が現時点で下がる点なのでしょう。
びっくりなのはAPランクNo. 10 名門Kentucky(Dukeに敗戦しただけの5勝1敗)がNET61位となったところあたりか。まあこれに驚くのは人間だからで、Kentuckyの5勝の中身はNCAA D-I校350校余の下位の学校とばかりなのでコンピュータ的にはこれで当然の判定なのでしょう。

APランクの方も少し触れてみたいです。No. 1 Gonzagaが32票の1位票を集めて1590ポイント獲得、No. 2 Kansasが31票の1位票で1584ポイント獲得。他にNo. 3 Dukeに1票、No. 4 Virginiaに1票1位票が入ってます。これでKansasはプレシーズンを1位発進して全勝を続けながら、1ヶ月で2度も他校に飛び越えられて1位の座を譲ってます。珍しいケースでしょう。
最初は開幕戦のDukeがKentuckyを一蹴したスーパー1年生たちのデビュー戦のインパクトでDukeに抜かれ、そして今週はその当時No. 1 Dukeを下したNo. 3 Gonzagaに抜かれたということに。Kansas自身もトップ10校のTennesseeに勝っているのにこの結果。正直言えばKansas x Tennessee戦は観戦はしましたが地味であまり面白みのない試合で、延長戦での勝利でもありインパクトは薄い試合ではあったのは事実だったでしょうが。
割れた1位票でのGonzagaとKansasの差は1ポイントのみだとすると、それ以外でKansasは5ポイントの差をつけられたことになります。つまりGonzaga-Duke-Kansasというような順でKansasを3位以下とした投票者が5人程度いたことになりますね。