NASCARが@Miami-Homesteadでのシーズン最終レースを行い、年間優勝の可能性の残っていた最後の4人「Championship 4」が熱いレースで覇を競い、残り20周からのリスタートで上位4人が前2列に集結。真っ向からの勝負となりJoey Loganoが初優勝しています。戦略と戦術と、さらにそれを超えたガッツの抜き合いが展開されてNASCARの良いところが最後まででた目の離せない好レースでシーズンフィナーレを飾りました。やったね、という感じのフィニッシュでした。

3週間前に発生したLoganoと前年優勝者Martin Turex Jrの遺恨。遺恨の発生したレースではLoganoがTurexを最終ラップで車体をぶつけながら抜き去ってChampionship 4一番乗り。Turexはその後苦労しながらChampionship 4に進出してこの日を迎えていました。あとの2人はKyle BuschとKevin Harvick。
両者ともに年間優勝の可能性を残している状態で最終レースを迎えたのでどちらが脱落しない限りあまり派手な報復・再報復行為はないであろうかなと想像していたのですが、やっぱり出ました。レースが60周を残した辺りでTurexとLoganoが競り合い。まだ60周もあんのにそこでそこまで張り合わなくても良いだろという時点だったんですが、どちらも譲らず。Turexの方から幅寄せして直線で接触。双方ともに大きなダメージは受けずに済みましたがお互いを意識しているのは間違いなく、残りレースでのさらなる絡みが期待される展開へ。

4人のうちKyle Buschが一回前のピット作業での失敗もあって前の3人に遅れを取った最終ピットのタイミングでただ一人ピットインせずトップに立つ。このままレースが進めばKyleの車はタイヤの摩耗で他のコンテンダーよりも遅くもなるし、そもそも燃料がフィニッシュまでもたない。でももう普通にレースをして他の3人に追いつくのはムリと判断。必要なピットインを一回飛ばして、イエローフラッグが出る可能性に賭けました。この辺がNASCAR的なおもしろさです。
燃料は減ってくる、他の3人との差も徐々に詰まっている。TV解説によればあと3周以内にイエローフラッグがでなければKyle陣営の賭けは失敗でKyleが4人のうち最初に脱落、というところでなんと出ましたイエロー。なんという都合のいい。

このイエローフラッグの間にKyleも含めChampionship 4の全車がピットインで最後の直接対決へ向けてニュータイアに。そしてリスタート時にChampionship 4が前2列に集結して年間優勝を決めデュエル、直接対決へ。当然遺恨の2人も間近。こ、これはすごいことが起こるかもという予感でハラハラです。

リスタート直後はスピードが伸びなかったLoganoでしたが、一発勝負を賭けて猛スピードで外側を駆け抜けてTurexを抜き去ったのが勝負の分かれ目。スピードの出しすぎで外側ウォールに突入するのではとも見えた場面でしたけど踏みとどまってトップ奪取。その後は他のコンテンダーを寄せ付けず逃げ切り。あのオーバーテイクが年間優勝を決めたオーバーテイクに。あれ、二人の遺恨を考えるとTurexがイン、Loganoが近いところから抜きに行ったらTurexは思い切って寄せてきてさらに緊張の一瞬となったかもしれないですが、Loganoが思い切って外に振ったのでそうはならず。
素晴らしいラストレースだったと思います。


尚、昨日のレースで下位カテゴリであるNASCAR Camping World Truck Seriesの方で日本人オーナーの所有するHattori Racing Enterprisesが年間優勝をしています。