今夜の地上波ABCのプライムタイム放送の試合は今季も全勝、全米最長22連勝中の昨季の全米優勝校が登場。そしてそれは最強Alabamaではない。UCFなんですよね。9戦全勝No. 11 UCFがホームにNo. 24 8勝1敗Cincinnatiを迎えての一戦が地上波プライムタイムに登場。College GameDayの放送も同地でということで今週末の最強カード扱いです。出場両校ともにマイナーカンファレンス所属校のプライムタイム地上波登場は初のこととか。
Cincinnatiの1敗は@Templeで延長戦の末敗戦したもの。たまたまその試合は見ていたんですよね。延長戦で自滅してCincinnatiが敗戦した試合。10月中旬の話で、その時点はでAACではUCF、Cincinnatiに加えてUSFも全勝で、3校がシーズン終盤に立て続けに直接対決が予定されており、3校がそれぞれ全勝で抜け出してきていたらそこを勝ち抜いた学校がNew Year's Sixボウル出場が見込まれるのではと考えられていたのが崩れた試合でもありました。もったいなかったです。

CincinnatiのHCは元Ohio StateのDCだったLuke Fickell。一時点ではOhio Stateで丸1年間暫定HC職も任されました。当時はまだ30代での抜擢でした。昨年から同州内のCincinnatiでHC。地味な性格ですが、Ohio State当時に積極的に動き回った同州内にはリクルート網も持っているとされ、そのリクルートの成果が来季以降出てくることが期待されていたところ、1年前倒しでの好成績でこのビッグマッチに登場することに。

UCFの方は今年もガラスの天井に苦しみ全勝ながらNo. 11にとどまってます。新HCのJosh Heupelが昨年の(疑似)全米優勝校をうまく引き継いで今年も全勝を維持しています。このビッグマッチはUCFにとってはカレッジフットボールファンやマスコミ、CFP選抜委員会への最後のアピールの機会。今季のUCFは勝ってはいるものの接戦苦戦も多く、そうでなくてもガラスの天井の存在は明らかな中、この一試合でCincinnati Bearcatsに圧勝したとしても状況が大きく変わるものではないですが。

UCFは全米最大の在学生数を持つマンモス校なので、現在こそマイナーカンファレンス所属ですが将来的にメジャーカンファレンス入りがあり得る学校でもあります。この全国放送で完勝した上でNew Year's Sixも含め2年連続で全勝シーズンとでもなればそれが将来のメジャーカンファレンス移籍を後押しする可能性は否定できません。
西ではかつてUCFと同じようにガラスの天井に苦しんだUtahが同州の司法当局のバックアップまで得て訴訟騒ぎになったことがありました。2004年にUtahが全勝でフィニッシュしながら当時のBCSの枠組み内で不公正な扱いを受けたという問題でした。しかしその件はUtahがPac-10→Pac-12に編入してメジャーカンファレンス側に組み込まれて訴訟意義が消滅、立ち消え。
Utahは今季Pac-12で現在南地区のトップ、初のPac-12優勝戦進出が望める位置にいます。つまりあと3勝で堂々メジャーカンファレンス側からNew Year's Sixに登場できるのです。そうなれば2004年のガラスの天井問題から14年で、ついにガラスの天井の呪縛から逃れられたことになります。UCFもその道を歩めるのか。
UCFが10年後の栄光を目指す長い道のりと考えれば今夜のAACの試合もまた違った感慨を持って見られる面もあると思います。