「Intentional Talk」というのは元々MLBの手持ちのTV局MLB Networkで放送されていた平日のMLBトーク番組です。敬遠四球のことをIntentional Walkと呼ぶのにかけた番組名です。この番組、昨年からESPN系列でも放送されるようになっています。MLB Networkでも同じ内容のものを放映継続中。

ESPN系列ではオフシーズンも含めてほぼ毎日NFLの情報番組である「NFL Live」、NBAの情報番組である「The Jump」が放映されています。それと同列のMLB用の番組としてIntentional Talkが放映されるようになったんですけど、ものすごく個人的な感想を言うとIntentional Talkの与太話の度合いが多過ぎていつも悪い方で感心してしまうんですね。一体この番組は誰に何を訴求したいのかさっぱりわからない、と。

NFL LiveやThe JumpはESPNが自前で制作放映しているものですが、Intentional TalkはMLB Networkの制作したものをそのまま放映しているわけです。
過去ESPNではBaseball Tonightという平日夜のMLB番組を持っていました。これが2017年から大幅縮小。日曜日のMLBのナイター放送Sunday Night Baseballの直前の番組としてのみBaseball Tonightの名が残る状態へ。ESPNが数年前から実施していた人員整理を敢行したときにMLB関連人員・予算がバッサリやられたその結果でもあります。ESPN自前でMLB番組を制作することを放棄して、外注のIntentonal Talkを放映してその代わりとしたということです。
まあ経営の贅肉を取るのもビジネスでは大事でしょうから外注化も良いでしょう。しかしながらIntentional Talkは内容が与太話ばかり出演者二人の馴れ合いばかりでろくな情報番組ですらない。NFL LiveやThe Jumpの日々の放送の充実ぶりとは比較にならない内容のなさ。昨今MLBのアメスポ内での地位低下が様々な面で言われてますが、Intentional Talkを見て野球を見てみようと思う人なんているのかなと悲しくなるような番組なのです。

NFL LiveやThe Jumpもそうですがこれらの平日の帯番組はNFLやNBAの試合の放映権とのセット販売で、ESPNがそのジャンルの番組を流す義務があってやっていること。MLBに対してもそのような義務があり、かと言って毎夜のBaseball Tonightのような形態の速報ニュース番組はネットに取って代わられてその使命を終えている。それでBaseball Tonightはやめたのですが、MLB放映権契約に含まれる条件を満たすために仕方なく外注でIntentonal Talkを買って流しているんじゃないのかと推察されます。しかしながらNFL LiveとThe Jumpはメイン局ESPNでの放送。Intentional TalkはサブのESPN2での放送です。NFLはともかくNBAはまだプレシーズン、MLBはポストシーズン真っ只中でもこの態勢は変わらず。本当はESPNはもうMLBの常設帯番組はやめたいのではないのか、と疑いたくなります。せっかくのポストシーズンでおもしろい試合が続いていてもそれを反芻して楽しむ番組がESPNには欠けてきているのです。昼間のESPNの人気スポーツトークショーでもFirst Takeなんかは野球の話はほとんどしませんしね。

現行のESPNとMLBの放映契約は2021年まで。まだ3年残ってます。来年あたりから次期放映権契約の話し合いが持たれるようになるのでしょう。ESPNがMLBの試合中継放送から撤退するとはまったく思いませんが(夏場にMLBの代わりに放映するものがなにかないと撤退しようもない。そのめどは立っていない)思い切った交渉がされる可能性もあるのかも。MLBの試合中継は維持するが日々の情報番組の放送義務は勘弁して欲しいとやるのかも。MLBは強く抵抗するでしょうが。

三大プロスポーツのNFL/MLB/NBAの放映権を持つESPN系列はその情報番組の放送もしている。これが放映権にまったくからまないNHLになるとESPN系列で見られるのは総合スポーツニュース番組であるSports Center内でのみ。その上NHLは他のスポーツ(NBAとほぼシーズン丸かぶり)との兼ね合いもありSC内での情報量は限られるし、ESPN自身が放映権を持つジャンルの方が優先される傾向になる。そういう状態なので私もそうですがNHLのニュースが見たければ最初からNHL Networkへチャンネルを変えてたっぷり情報を得ます。よってSports Center内でのNHLの扱いはさらに需要が減る。NHL Networkのように自前チャンネルを確保していればそういうことができる。
MLBもNHLのようなESPN内での扱いになる時期が来るのか。さすがにまだ次期放映権契約ではそこまでばっさりやられないのではとは想像するのですが、将来にわたって安泰かというとそれはわからないというのが本当のところではないでしょうか。

逆に言えば2021年のMLBの放映権契約までにアメスポの夏をMLBに代わってカバーできるコンテンツが誕生したらどうなるのか。2020年の東京五輪で競技デビューする3-on-3バスケのBig 3なんかはそこを狙って夏侵攻をやっていると深読みすることも可能です。
繰り返しますが現実的にMLBを脅かすレベルの春夏の対抗コンテンツはないのでMLBも強気で交渉するでしょうし、ESPN系列が試合中継を減らすとも思いませんが試合中継枠そのもの以外の部分ではMLBも譲歩せざるを得なくなる可能性はあるのかもしれません。