今季から施行された新ルール。カレッジフットボールの選手は4試合以下の出場ならば、当年のeligibility(選手としての出場資格)を失わずに、転校して翌シーズン以降に資格を持ち越しせるというもの。今週はシーズン第5週。多くの学校は今季5試合目に臨むところ。その先陣を切って今日木曜日にNorth Carolina@No. 16 Miami-FLの試合がありました。Miamiの方のQBの事情が新ルールに絡んで誰が先発するのかが注目された一戦です。
昨年Miami-FLが久々に勝ちこんで全米優勝戦線に絡んだわけですが、昨年全試合+今季もここまで4試合全試合で先発したQB Malik Rosierと、先週の試合で先発はしなかったものの試合の大半をプレーしたレッドシャツ1年生のN'Kosi Perryのどちらがこの試合で先発するかが注目されたのです。
Rosierは昨年のMiamiの躍進の中で戦ったもののパスの精度は相当に低く、肩も強くない。5th year最上級生でもありもう先はほとんどない選手で、チームとしてはこの時点で見切って1年生QBに移行するのか、それともなぜか勝ってしまうRosierの不思議な能力に今季はもう任せるのか。Perryの方は2017年のモバイルQBリクルートでは全米3位という大きな期待を背負ってMiamiに来た選手です。

結果はPerryが先発。まだ線が細くてディフェンスの密集に突っ込んでいくのを見るのがはらはらする感じでしたが、大きな難なく試合最終盤までプレーして初先発の試合を勝ってます。
Perryが倒されてバックアップQBがプレーしなくてはいけない場合にRosierが出場するのかも気になって見ていました。というのはRosierはここまでの4試合では先発出場しているのでこの5試合目にたった1プレーでも出場するともうカレッジでのプレーの機会はMiamiでの残り試合でしかなくなります。その場合バックアップQBとしてほとんど意味のある時間帯の出場はない可能性が高い。もし出場しないままならば、この試合後に本人が望めばMiamiの今季の残り試合から離脱して、最上級生として来年もう一度他の学校でトライすることが可能、という状態だったわけです。
試合は最後の最後にNorth Carolinaがこの日5個目のターンオーバーを献上(よってTurnover Chainも5度目の登場)でMiamiオフェンスにボールが回ってきてしまった。どうするのか見ていたら先発のPerryでもなく、Roiserでもなく、第3QBが入ってニーをダウンして試合を終えました。最終スコアは47-10でMiamiの圧勝です。よってMalik RosierにはMiamiに残るか、転校するかの選択肢が与えられたことになります。大量得点差で先発を下げても良い時間帯になっても1年生初先発Perryを引っ張って起用し続けたのはPerryに経験を積ませる面もあったでしょうが、それよりもRoiserのeligibilityの温存を図った、Miami側の昨年の躍進の功労者への配慮でもあったのでしょう。

この問題に直面しているのはMiamiだけではありません。昨季のカレッジフットボールシーズンを盛り上げて10勝を挙げたチームが4校もこの問題で頭を悩ませています。他の3校はNo. 8 Notre Dame、No. 1 Alabama、No. 3 Clemson。いずれも昨年の主戦QBがケガでも卒業でもないのに先発QBの座を失っています。

まずClemsonは昨季の主戦QBKelly Bryantが水曜日に既に転校を宣言してチームを離脱。バックアップだったTrevor Lawrenceが次戦のSyracuse戦で先発することが決まってます。Clemsonはこれでここ最近で手持ちのQBが転校離脱するのが4人目だとか。ここ最近の強さゆえにリクルートも好調で有望QBが次々と入ってくるのは良いんですが、1つしかないQBの座ゆえに春夏の練習で自分に見込みがない、またはコーチ陣に好かれていないと感じるとさっさと離脱しちゃうんですね。Miamiとは事情が違いLawrenceはBryant離脱前からプレー時間はかなりもらっていたのでたぶん移行はスムーズのはず。Clemsonの強みはディフェンスなのでそういう意味でチーム全体としての安定感は揺るがないのでは。
とは言えClemsonは昨季、Syracuseに良いところなく負けたんですが。あれは意外な敗戦でした。

Alabamaはシーズン開幕して2年生になったTua Tagovailoaが先発して文句なしの試合をしているんですが、それでもシーズン序盤はHC Nick Sabanは「2人とも先発なんだ」とムリな詭弁強弁をしていました。それだけ昨年のエースQBだったJalen Hartが残留することを望んでいるということなのでしょう。Alabamaの今季5試合目にHartが出場してしまうとHartの今季のeligibilityのやり直しは効かなくなりますが、どうなるか。Hart自身は今季はどうなってもAlabamaに残るとシーズン前から言っていたのもあり、Saban HCはHartを出場させて実績のある強力バックアップQBを今季通して確保する方向に走りそうです。対戦相手はSun Belt所属のLouisiana-Lafayette。どちらのQBが出ても圧勝楽勝が予想される試合でもありますので試合の早い段階でHartの投入があるかも。その辺は非常なSabanさんですから。Miamiが温情でRosierに功労者待遇を与えたような、そんな甘いことをする人じゃないような気がします。

QBの切り替えで最も難敵を5試合目に迎えるのがNotre Dameで、No. 7 Stanfordを地元に迎えます。4戦全勝とは言え内容のよくないNotre Dame。新QBに切り替えてのプライムタイム全国放送。イメージ向上をファンやプレーオフ選抜委員にアピールできるでしょうか。