第1回Jr. NBA World Championshipの男子国際決勝、アフリカ中東チームがカナダを下しています。今日日曜日に全米優勝チームのカンザス州のチームと対戦予定。地上波FOXで放送していました。これ以前の試合はウエブキャストでBleacher Report Liveが担当していたようです。あまり大々的に宣伝していたとは思えないのでそちらまでチェックして見た方は少ないことでしょう。

なかなか難しいトーナメントであります。米国内のチームは実際の地方クラブ同士で戦っているのですが、国際の方は選抜チームが多い。アフリカ中東はブラックアフリカ国の長身選手に小柄な中東の子が混じる構成。14歳にしてやたら背が高い。バスケのゲーム性から言って身長という要素は大変に大きいのでこういうふうに選抜チームで高い子を揃えられてしまうと見栄えは良いんですけど、草の根感はかなり低い。対戦していたカナダの方もコンゴ移民の長身の子などを揃えてかなり背が高く、スキルもまずまずで試合は好試合になりました。前項で書いた女子決勝のような観戦に耐えないレベルではない。これはこれでおもしろいのでしょう。日曜日の米国チャンピオンとの試合がどうなるかは若干危惧していますが。

問題はどこにあるのかというと、野球のLLWSの向こうを張ってJr. NBAという大会を育てる(試合中にNBA副コミッショナーも喋ってましたがはっきりLLWSの名前が出てきました)のにこの選抜チームというやり方が良いのかどうかというところです。
野球のLLWSは米国内・海外組ともクラブチーム。そして優勝戦での海外国内の対戦も多くは力量も拮抗してます。米国の選手たちには早熟な大型選手が海外チームと比較して多いのですが、海外組も体格で負けても決して野球の質では負けていないので好試合・熱戦も多い。さすがに歴史も長いのでうまく均衡が取れている。
それがJr. NBAではアフリカ中東選抜チームのように早熟才能の高身長選手を揃えられてしまうとどうなのか、という疑問が。米国内の方がバスケのレベルは高いのは確実ですが、あんなふうに全ポジションに背の高い子を揃えられる地方クラブはあるのかなという疑問があります。もし揃えられる地方チームがこれをきっかけに増えたとしたら、大半の普通の背の子たちのクラブは最初からノーチャンスになってしまう。これでLLWSが全米の少年野球全体を引っ張っているような効果がバスケで出るのか?という意味で疑問が湧いています。
今日の決勝の内容次第で次回大会からは海外の選抜チームの構成を手抜きにしてバランスを取るのかもしれませんが、それだとかなり人為的で変な話にもなりそうです。初の大会、今後の展開に期待する方がポジティブなのでしばらくは見守る感じでしょうか。