前項で書いたESPNが中継していたMLB Wednesday Night Baseballが雨天で中断になっていたその裏で同系列の他のチャンネルが何を放送していたかというとこれが全部サッカーでした。International Champions Cup(ICC、欧州の有力チームのプレシーズンマッチを5年前から組織化したもの)の試合をESPN2、ESPNEWS、ESPNUで同時刻に放送。計5試合をESPN系列のサブの3チャンネルで放映。1試合だけICCの放送をしたESPNUはICCの試合の次にアメリカ二部であるUSLの試合を放送とサッカー三昧な番組編成になっていました。こんなにサッカーを一気に一夜に詰め込んだ編成は見た記憶がないです。
この水曜夜はアメリカ一部であるMLSも週中の試合を3試合開催していましたがこれは一般のチャンネルでは放送がなく、USLと欧州クラブの試合でESPN系列サブチャンネルを占拠。MLSの試合にはアメリカに来てまだ間もないWayne Rooneyの所属するDC Unitedの試合もありましたが、これはスポーツニュースSports Centerでもスルーされてました。

この推し具合はどうなんですかね。ESPNはこの春に二部USLとの放映権契約を来年2019年まで延長しています。MLSの放映権もESPNは維持(2022年まで)していますが、ESPNがMLSとの次期放映権契約での主導権を確保するためにUSLへの肩入れ養育をし始めたというふうに読むべきでしょうか。アメリカサッカーの二部指定は近年目まぐるしく変わっており、昨年まで二部扱いだったNASLには例のNew York CosmosやMiami FCが所属してますが今年は二部指定を解除されている。CosmosやMiami FCの会長はアンチMLSの急先鋒とも言うべき象徴的存在です。がNASLはメンバーチームの減少などでそれ自身にビジネス上の勢いが落ちている。逆に三部から二部に昇格(入れ替わりでなくNASLと二部が複数であった時期あり)した形のUSLがNASL脱退チームなどの受け皿となっているのですが、そちらはスポーツメディア最大手のESPNからの資金の下支えで当面の経営は大丈夫という形になってます。NASLは潰れる運命なのか。そうなるとアンチMLS陣営のCosmosやMiami FCはアメリカサッカー界からパージされたことになるのか。チームとして存続するためにはUSLに加入して膝を屈するのか。

ESPN系列がMLSを牽制する理由という文脈で考えると、夏のICCや、欧州CLなどの他のサッカー放送にESPN系列が大きく舵を切って、創設以来支えてきたMLS放送を切った後のサッカーの年間放送メニューの準備を進めているようにも見えます。MLSは動員力では立派な人数を出せるようになったのですが、こと視聴率だとどうにも伸びない。しかしながらMLS側の鼻息は荒く、次期放映契約交渉でも強気に臨んでくる可能性が指摘できます。それを見越して迂回ルートを模索中というところでしょうか。