NFLのキャンプが始まる時期となりました。契約でモメた選手がキャンプに参加するかしないか、昨季全休したIndianapolis ColtsのQB Andrew Luckの復帰見通しなどの話題もありますが、一番私的にウケたのがボストンの地元メディアがNew England PatriotsのHC Bill Belichickに食い下がって質問した件です。
昨季のSuper Bowlでディフェンスの要の一人だったMalcom Butlerがディフェンスでの出場を許されずスペシャルチームでのみ出場。サイドラインで悔し涙を流すButlerとそれを慰める僚友。試合は接戦の末Patriotsが敗れたことからなぜBulterを出場させなかったのか、出場させていたら勝っていたのではないのか、Super Bowlの勝利を投げ出してまで課さなくてはならないペナルティとはなんなのか、とファン・非ファンを巻き込んでかなりの議論となりました。
この件については試合の当夜だったか翌朝だったかにButler本人が僅かに泣き言を記者に話したものの具体的な理由には触れず、さらに翌日にはButlerが泣き言を言ったことについて公式に謝罪し、それ以降は本人も完全に沈黙。その後移籍が決まったときもPatriotsに深く感謝の弁を述べて静かに退団していきました。
Butler以外からは一切情報が漏れてこなかった。そのため憶測を呼んできた問題ではありました。2018年新シーズンが始まる段階がたぶん最後の直接取材のチャンスだと踏んで地元メディアが腹を括ってこの話題をBelichickにぶつけたのでしょう。Belichickの返事は「2018年シーズンに集中している。過去のことは話さない」とまあ想像できる返事。しかし地元メディアは事前に粘りまくると決めてきていたのでしょう、4度ぐらいかな、ほぼ同じ質問を繰り返し(ちょっとした記者マナー違反でしょう)、その度にBelichickは不機嫌になるでもなく同じように返答して一切のヒントを与えず記者会見をこなしました。

この時点で地元メディアがここまで(漏らす見込みの極薄い)Belichickに食い下がったということは、オフシーズンに敢行したであろう他の選手や上層部から末端までの関係者、退団者、ひょっとしたらButlerの家族への取材がことごとく失敗したということなのでしょうね。特にBelichickの支配下にはないオーナーなども一切不満も情報も漏らさなかったというのはすごいかなと。この統制の凄さは組織の強さを表しており、Butlerの出場の是非とは別に、継続的に強いチームは違うなと感じさせてくれます。