日本のサッカー代表の次期監督に元米代表監督であったJurgen Klinsmannが有力だとか。Klinsmann時代ほぼ5年半、W杯2大会を指揮したその期間中を見てきたものとしては。何を考えてそういう人選になるのか想像もつきません。日本のマスコミでの紹介を見ると「前ドイツ代表監督」と紹介していますよね。米代表時代はどうでもよくて、日本的視点でありがたいのはサッカーエリート国の前監督ってことなんだなーと。「前」てなってますがドイツ代表監督を退いたのは2006年、もう12年も前のこと。単にドイツの現代表監督が長期政権だからってだけで「前」って最近みたいに言うのもなにやらまやかし臭いです。

では米代表でKlinsmannが何をやってきたかをかいつまんで振り返ってみましょう。
2014年のW杯ブラジル大会では代表選出過程で私怨で米代表の功労者Landon Donovanを切ったのと、自らがリクルートしてきた欧州育ちの二重国籍選手を重用したのがポイント。GLを突破、16強戦でベルギーに延長戦で敗戦してます。アメリカの実力を考えれば成功の部類のW杯でした。
2015年 Gold Cupでジャマイカに敗戦、3位決定戦でパナマにも勝てず4位と低迷。後から考えればこの辺りから既におかしかったのでしょう。ロシアW杯出場失敗への失敗ロードがここからスタート。
2016年の4次予選でトリニダード・トバゴと引分、グアテマラに完敗などモタモタしながら通過。グアテマラでの敗戦は序盤から連続失点となんとも冴えない試合でしたが、予選自体は突破。4次予選なんてのはカリブの小国などが相手で勝って当たり前。この段階の試合を見ているスポーツファンなんてほとんどいないので苦戦は不問。
しかし2016年11月に始まった最終予選は序盤二戦にメキシコ、コスタリカに連敗したところでKlinsman更迭。連敗もそうですが、ブラジル大会で二重国籍組が寵愛を受けたのへのルサンチマンでベテラン純粋アメリカ人選手や関係者から背後から総攻撃を受けた面も見逃せない。更迭後を承けたBruce Arena後継代表監督も二重国籍選手をパージして陣容を改めたんですが立て直しきれずに6チーム中5位で3.5枠の大陸間プレーオフにすら出場できない完敗となってます。

さあこんな履歴の前米代表監督をなぜ日本が欲しいのですか?と問い詰めたくなります。ほんとにこんな人で良いんですか?と。

W杯における成績を見ると日本とアメリカはほぼ同じ。GL突破と敗退を繰り返してます。日本が2大会連続のGL突破ができない中、米代表は2010年2014年と連続GL突破して若干日本より好成績に見えたのですが、2018年に本戦出場失敗。その大会で日本がGLを突破したのでまた日米はほぼ五分に戻ったところです。
で、なぜ2018年に出場失敗した米代表監督を、勇敢な試合でW杯を終えたばかりの日本が欲しがるのか。まあ名前が出てきたタイミングからして大会前に既に内定に近い状態だったのは想像がつきますが。たぶん英語でコミュニケーションができるから日本人にとっても楽ってところもポイントなのかなと想像します。