MLB Seattle Mariners@Boston Red Sox戦が地上波FOXで放送されていたのを見ていて、バックネット下の宣伝でMLB AllStarの投票を呼びかけていたので、気まぐれでMLBの当該ページを訪れてみました。実際に投票してみようとしたところ、とても投票しにくいというのが感想です。
投票の基本ルールは昔と変わりません。外野手3名以外は各ポジション1名選択。全ポジションを選ばないと投票自体ができません。ALのみDHも選択。欠場中のAngels Shohei Ohtaniも選べるようになっていました。名前のない選手にも記名式で投票できるのも昔から同じです。
なにが投票しにくいかと言って選択肢が多すぎるのです。私はラップトップコンピュータからログインしましたけど、それでも一覧できない。外野手なんてものすごくリストが長くて二度三度スクロールしないと下までたどり着かない。これ、いまの時代スマホからアクセスするひとも多いはずですが見にくくないですか。

ちょっと古くさいことを言ってみたいと思います。その昔、紙の投票用紙が各球場に用意されていた時代がありました。マークシート式やパンチホール式だった時代がどれぐらい長かったか定かではないですが、かなりの年数そういう仕組だったはず。確か紙の投票はもう全廃されていますよね。球場の自分のシートでシコシコ記入して、次の買い食いに行くついでに投票して、というのが懐かしい。懐古趣味でスミマセン。

確かに今の投票方式の方が良いところもあります。候補選手全員の現在のスタッツが投票スクリーンに表示されているので、以前はいい選手だったけど今年は全然とかイマイチっていう選手を投票直前に投票者=私に気づかせることができます。よほど熱心なMLBファンならともかく全球団の選手の今年の調子を知っているということはないのでこの仕組は良いのです。良いんですけど冗長。さらに示されるスタッツは打率・ホームラン・打点・盗塁・打席数。この辺は古いなあという。伝統を誇り大事にするFenway Parkでも場内に示されるスタッツにはセイバー由来の数字が並ぶということに先日触れたんですが、MLB公式だと公式で表彰するような数字だけか、と。最後の打席数というのはフル出場している選手とほとんど出場できていない選手を峻別するためにわざと採用しているのでしょうね。それ以外は古典的なスタッツのみ。あと名前がファーストネームがイニシャルだけになっているんですけど、これ、なぜイニシャルだけなのかなと疑問が。Martinezとかよくある名前の選手とか不利では?

話は少し変わります。Washington NationalsのBryce Harperがホームランダービーへの出場について条件付きで同意したという話が出てますね。現在National Leagueトップの19本塁打。ダービーへの出場の権利は十分。ただ付けた条件というのが自身がAll Starに選出されること。MLB屈指の知名度のHarperがわざわざこんな条件を付けてきたんですね。
というのはHarperの今季の成績がふるわないからです。ホームランは前述の通りトップですが打率が.213。WARが0.5、つまりほとんど並の選手であるという数字になってしまっている。NLの外野手ではなんと39番目の成績。HarperのキャリアWARが26.6というとてつもない数字なのと比較すると今季の内容の悪さが目立つわけです。うーん今季後にFAになるのにこの成績大丈夫でしょうか。

しかしオールスター投票の中間発表ではHarperは現在楽々当選圏内。知名度の抜群の高さに加えて、投票スクリーンで見る限りはWARの低さなんてわからない。19本塁打だけでも十分に投票者にアピールしてしまうのでしょう。まだ投票期間は残っているので逆転落選の可能性もあり、現在の成績だと選手間での互選での当選はかなり危うい。現実的にはファン投票で当選しないとNLのホームランキングがホームランダービー辞退ということに直結しそうです。
ちなみにオールスターに選ばれずにダービーだけ参加した選手は過去いますし、またダービーで優勝した選手もいます(2016年のGiancarlo Stanton)。

ダービーで思い出しましたが、先週、ESPNのスポーツトーク番組で「Ichiroをホームランダービーに出場させるべきか」というお題が出て短時間ながらパネルのメンバーが議論していたのにちょっと驚きました。そんなお題が出るような観測気球的情報がどこからか出ていたのですね。日本ならともかく、こちらでそんな話題が出るとは意外でした。基本的に全員にさすがにそれはやめとけという結論にされていましたが。