MLSの新チームLos Angeles FCがリーグ7戦目にして初のホームゲームで、新ホームBanc of California Stadiumでの初戦を飾ってます。ロスタイムに入ってのFKで1-0勝利。FKはGKの真正面だったんですがGKがキャッチミスでこの日唯一のゴールとなってます。
ゴール自体は締まらないミスでのものですが、ホームチームにとってはそんなことはどうでもよく、FS1の解説陣もミスを無視して「劇的ゴール!」と持ち上げまくってました。試合自体は正直、山場の少ない試合で語るべき点は少ない。満員22,000人の観客の声援に押されて最後まで走りきれたという部分では良かったのでしょうが。試合前に共同オーナーのひとりコメディアン俳優のWill Ferrellが宣伝も兼ねてTV中継に参加してました。他にも地元での宣伝にセレブを様々起用していたようで、豪華さを売りにする初めてのMLSクラブとして出発しています。
スタジアムの美麗さはどの報道も口々に伝えていますからよほど良いのでしょう。一度見学に行ってみたいです。観客席が屋根付きということで将来のFIFA W杯にも準拠ということでしょうね。

このBanc of California StadiumはMLSのサッカー専用スタジアムとしては16番目のスタジアム。現在MLSは23チームが所属しています。今年夏にDC Unitedの新ホームAudi Fieldが開場予定でそれが17番目、来年開場予定のMinnesota United FCのホームが18番目になる予定。つまりあと5チームがサッカー専用スタジアムを持っていないということになります。
その5チームのうち、Seattle Soundersは観客動員が良すぎて設立当初は間借りのつもりだったNFL Seattle Seahawksのスタジアムに永住モード。また昨季MLS参入となったAltanta UnitedもNFLのAtlanta Falconsのホームに間借りで動員好調で他のMLSチームの持つような規模のサッカー専用スタジアムの建設はなさそうです。ざっと22,000〜30,000人程度のキャパをMLSの専用スタジアムはもっていて、Sounders、Atlanta Unitedの平均動員はそれを遥かに上回るので。Sounder、Atlantaともに特定のビッグマッチを除いてはNFLスタジアムの全席を使うわけではなく上部席は閉鎖して席の上限を下げた上で使用して「満員」と称しますが、それでも他のMLSチームの倍の動員をします。

今回のLAFCが美麗スタジアムを建てたことで、残るサッカー専用スタジアムを持たない3チームの動向が注目されます。その3チームとはNew England Revolution、New York City FC、Vancouver Whitecaps。WhitecapsのホームはBC Place。冬季五輪のときのメイン会場でもあり数年前に全面改修。MLS WhitecapsとCFL BC Lionsが同居するスタジアム。Whitecapsの動員力と地元の経済力を考えるとたぶん新サッカー専用スタジアム建設はない。New EnglandはMLS創設から存在する老舗ですがオーナーが乗り気でない。NFL New England PatriotsのGillet Stadiumにずっと同居です。今年もMLS最低レベルの動員でスタートしてます。
New York FCがどうするのか。MLB Yankee Stadiumに同居。資本20%がMLB New York Yankeesの配下でもあるのでYankeesの組織にもメリットがなければYankee Stadiumにとどまるはず。少なくとも新スタジアムを作ろうという意欲はNew Englandよりはあって、いろいろな候補地が挙がってます。ただ同市の場合、NHLのNew York Islandersの新アリーナ建設の方が優先事項となっており実現するとしても少し先のことになりそう。また今回のLAFCのBanc of California Stadiumが$350 millionと大盤振る舞いの予算で建てられており、それとの比較で同規模の美麗スタジアムを建てようとすると同市では遥かに大きな予算が必要になる。それだけのコストをかけてサッカー専用スタジアムがペイするのかはかなり疑問でもあり、難航が予想されます。