エリート8のトリでKansasがDukeとのヘビー級カードを制してFinal Fourの最後の切符を手に入れました。終盤のせめぎあい、延長戦に入ってからも緊張した展開でしたが最後はきっちりフリースローを決めたKansasが逃げ切ってます。この試合を最後にプロに転向する選手を多数抱えるDuke。トップ3以内の指名が確実なMarvin Bagley IIIは好試合になりましたが、Bagleyに次ぐ評価でドラフトトップ10内が見込まれるWendell Carterは終盤に疑問のあるファールをとられて無念のファールアウトでベンチでカレッジキャリア終了。あれはちょっと酷だったような。制限エリア外で相手オフェンスが突っ込んでくる前に両足も既に着地・静止していたように見えますが、レフリーとしてはもう笛吹いちゃったから...という感じでしょうか。最上級生Grayson Allenは最後の追い上げでの3ポインターが続けざまに大きくハズレていたのがなにやら象徴的。AllenがNBAでDukeの先輩J.J. Redickのような有能な選手になれるのかどうか。Redickはドラフト時にカレッジの活躍と比べて低評価だったのを覆してプロで一流選手になりましたがAllenにそれだけの精進と能力開発ができるか。他にもDukeからはGary Trent Jr.とTrevon Duvalがドラフト1巡目指名が有力とされつまりは先発全員がドラフト行きの見込みで来季は新しい顔ぶれでの再出発になります。

さてこれでFinal FourはVillanova x Kansasの第1シード同士の対決と、第3シードMichigan x 第11シードの今大会のシンデレラLoyola-Chicagoという2つの大きく毛色の異なる全米準決勝のカードとなりました。こういうカードになってしまうとVillanova x Kansas戦の方が実質的な全米優勝戦という見方をされるのは不可避でしょうか。でもそれだけじゃないのがNCAAバスケットボールの開かれた魅力ですね。

Loyola-Chicagoはもし決勝進出したら映画化またはドキュメンタリー番組化があるかもしれないなあなんて思います。同校は1963年のNCAAトーナメントでの全米優勝という立派な歴史がありますが、当時の優勝はただの優勝ではない。人種隔離政策の廃止というアメリカの近代史上の重要な動きの中で重要な役割を果たしたチームとして知られているからです。
Loyolaが勝つ時期までカレッジバスケットボールではで黒人選手は3人までしか出場させないという紳士協定(正式ルールではなく)が存在していた。その紳士協定を破って黒人選手の活躍の場を広げて全米優勝したのがLoyola-Chicagoだったというそういう象徴的なチームだったからですね。想像するに当時は紳士協定破りとの顰蹙をかっての優勝であったことでしょう。時は流れ半世紀後、いまでは黒人選手が多いから云々などとは誰も言いません。(1990年代、Dream Teamの頃は間違いなくまだありましたよね。そうでなければIsiah ThomasやShaqも選ばれていたはずと思ってます)。
Loyolaのチャプレン(軍やチーム付き添いの聖職者)Sister Jeanが大人気。彼女は98歳ということですから前回の1963年の優勝時は43歳だったという計算になりますね。当時は彼女はその後Loyolaに合併する別のシカゴの大学で教鞭を執っていらしたそうです。お喋りの仕方がそんなお歳にはまるで見えないとてもチャーミングな方ですね。心配なのはカンファレンストーナメント以来4週連続で全米旅をされることになること。ここまで来てFinal Fourに行かないという選択肢はないでしょうが、お体に障られないことを祈ります。