例のリクルート生への不正利益供与問題で今オフシーズンにFBIおよびNCAAから吊し上げを食うかもしれない第4シードArizona Wildcatsが一回戦で第13シードのBuffalo Bullsに89-68の惨敗で姿を消してます。NBAドラフトで全体1位指名の有力候補であるDeAndre Ayton、さらに他にも相手より遥かに長身のフロントコートを複数揃えながら、ガードたちが40分間激しく守ったBuffaloを崩せずまさかの21点差の大敗となりました。Buffaloは二回戦はDavidsonとの接戦を勝ちきった第5シードKentuckyと。Buffaloは学校史上初のNCAAトーナメント勝利とか。
Buffaloは思い切ってAytonにトリプルチームで囲んだり、身長で不利ながらリバウンドバトルでファールを犯さずに大健闘。トリプルチームっていうのは高校バスケではよくありがちな話ですが、一流のカレッジチーム相手にはそうそう成功するものではない。二人もフリーの選手ができているはずで、必ずそこから咎められるもののはずなんですが、そうはならず。Buffaloの方はバックボードにバウンスしての3ポインターが決まったりすべてが良い方へ転んでのアップセットへ。

ArizonaはFBIからの追求を受けている不正利益供与問題で容疑を否認して突っ切る方向ですが、行方は不透明。来季が始まるまでにHCやADが在職のままでいられるのか、学校がなんらかの制裁を受けるのかどうか、まったくわかりません。来秋に入ってくる予定だったリクルート生は既に脱落者が出ている。現役の選手でも転校を模索する選手と当然出てくることでしょう。一番安泰なのは裏金を貰ったとされるAytonで、この敗戦を受けてドラフト行きを早々に宣言してくるでしょう。全体1位が有力視、悪くても3位までには消える逸材とされますが、今日の試合では鈍重にも見えてしまう内容でしたね。
刑事事件やNCAA規則違反がどうなるにせよ短期的に来季のArizonaが弱体化するのはほとんど確定的。中期的に数年程度の奨学生枠削除ぐらいで済めばまだ良い方で、見せしめにされて活動ができないような状況になる最悪の可能性も否定できないところです。前例としてはフットボールでSMUが食ったような完全活動停止があります。そこまでいかなくてもHCも現職のSean Millerが退かざるを得なくなった場合には外部から有力コーチを招請するのも困難になるはずで弱体化が見込まれます。西の強豪校・全米優勝校としてカレッジバスケットボールの地域的な広がりに寄与してきたArizonaですが、今回ばかりはまずそう。

以前も書いた通り、Arizonaが強行突破・完全否認へ向かったということはFBIの捜査との全面対決を目指すわけで、裏金があったとしても解明されえないと自信があるということでしょう。FBIのメンツを賭けてArizonaを捉えられるかどうか。
もし捉えきれないとしたら、わざと捜査の進展を遅くして複数年に渡ってArizonaを不安定な地位にして有力リクルート生が来ない状況を作って生殺しにするなんていうもアリなのかどうか。