前項でGonzagaの日本人留学生Rui HachimuraがNBAドラフトで指名される可能性が高いと書きました。Hachimuraは現在二年生扱いですので彼が望むならばあと2シーズンをカレッジでプレーすることができます。下級生がNBAドラフトにかかるためにはその旨宣言をする必要があり、基本的にはドラフト行きを宣言するとカレッジには戻れません。ドラフト予想サイトを見るとHachimuraは今年ではなく、来季2019年のドラフト予想の上位に入れられている場合が多いです。
今季Hachimuraは先発出場は1試合のみで基本ベンチスタート。活躍する日とそうでない日の差は大きいし、シーズン序盤に出番が限られていた時期もあったのでシーズンを通してのスタッツを見ると抜群の成績というわけではありません。本日現在での成績は20.2分出場 試合平均11.3得点 0.7アシスト 4.6リバウンド シュート成功率.574 フリースロー.843  3ポイントシュート.167となってます。試合時間の半分である20分出場でカンファレンスのファーストチームに選出されたのは相当に稀であろうと思われます。
今季途中で目覚め、その後も成長し続けているという印象のHachimura。いい日の彼のプレーぶりはすぐにでもNBAでプレー可能なんじゃないかと思わせるほどの迫力があります。ドラフトの候補選手としては安定した戦いが評価されているのではなく、現在まさに成長カーブ上にあるそのポテンシャルの高さがより魅力という選手でしょう。
その生素材の魅力ゆえにもう一年のGonzagaに残ったら来年2019年のドラフトでは堂々の最上位クラスの指名になるのかもという期待がもたれて各種ドラフト予想サイトでは今季ではなく来季待ちと種別されているのであろうと推測できます。私個人的には今季後にドラフトに行った方が良いと思っています。以下で理由をいくつかあげます。
それ以前の問題として、もしGonzagaが今季NCAAトーナメントで全米制覇を成し遂げた場合、カレッジに思い残すことがなくなって本人のプロ入りの決断もしやすくなることでしょう。Gonzagaにはその力があるし、その過程でHachimura自身の評判も自信も高まるはずですし。

私がHachimuraの今季後のドラフト入りをおすすめする理由はいくつかあります。まず来季もカレッジでプレーして2019年ドラフトに行く場合、シーズン前からの期待が高過ぎることになるという問題があります。残留した場合、Gonzagaの上級生たちが抜けてHachimuraは大エースとしての活躍が期待されることになる。モックドラフトでも期待が高い。きっとプレシーズンAll Americanなど多くの賞も与えられるでしょう。そのとても高い期待のハードルを実際のプレーで超えることは大変に難しいことです。バスケの有名校Gonzagaのエースとなれば毎試合きついマークを想定しなくてはいけません。Hachimuraの今季の場合は出場時間が短いので、来季先発になれば得点などの数字は伸びるでしょうが、成功率などはどうなるかわからない。来季のスタート位置がとても高くなるので、どうしても減点法で見られる可能性が高い。
一年長くカレッジにいたからと言ってより良いシーズンになるとは限らないのは過去に例はいくらでもあります。最近ならMichigan StateのMiles Bridgesが昨季ドラフト行きを回避してもう一年カレッジでのプレーを選択。回避した時点では翌年2018年ドラフトではトップ5での指名が予想されていたわけです。で、いまどうなっているかというと一巡目中位の予想がほとんど。スタッツ的には前年とほぼ同じでこれだけ落ちます。もし成績が少々伸びたところでドラフトでの評価はさほど伸びません。なぜなら一年余分に歳をとってそのポテンシャルへの評価が落ちるからです。

お金の面を言うと同じ年齢で現役引退するとするならばプロでの稼働年数も減る。NBAのような高額の報酬をくれるリーグでの稼働年数が一年減るというのはそれ自体大きな損です。本当に来季トップクラスの指名となるならばルーキー契約が跳ね上がってその損は取り返せるわけですが、それを期待するのはなかなか大変だということになるわけです。来季カレッジでケガでもしたらどうなるのか、というのも考えるべき点です。

もうひとつの変数としてはNBAが1 and doneのルールの見直しを明言していること。現行のNBAの新人ドラフトのルールは高校卒業後1年後から。これがあるため超有望な高校生選手も1年間カレッジなり海外プロリーグなりで過ごしてその上でNBA入りしています。NCAA側の裏金問題などもあり、NBAがこのルールを変更すると宣言しており、高校から直接NBA入りができるようになるでしょう。早い場合には来年2019年に高校を卒業する選手から新ルールが適用される可能性があります。つまりHachimuraが来季もカレッジでプレーする場合、この新ルールで飛び込んでくるぴかぴかの高卒プロスペクトとドラフト順を争わねばならない。その一年年長で来季カレッジで一年目をプレーする選手たちも同じタイミングでドラフトに入ってくるわけですから例年より若い有力選手の供給は倍になります。その状況に三年生として立ち向かうのが得策でしょうか。それ以外に選択肢がないならともかく、今季後でもドラフト指名は見込めるのにわざわざ混み合う可能性のある来季を選ぶのはあまり賢明な策とは思えません。

以上のようなわけで私はHachimura選手には今季後のドラフト入りをお薦めしたいです。上でも書きましたがNCAAトーナメントで活躍して、本人が自信を持ってプロ入りを選択できるような状況になるのが一番良いですが、さあどうなるでしょうか。