3月。March Madnessが近づいてまいりました。現在は各地でカンファレンストーナメントが開催中。シーズン中に成績がふるわなかった学校もカンファレンストーナメントを勝ち抜きさえすればNCAAトーナメントに自動的に出場できるというシーズン最後のチャンスになります。

メジャーカンファレンスはそれら各カンファレンストーナメントのトリということで68校の出場校が決まる来る日曜日、またその前日の土曜日に決勝戦をやるようなスケジュールがほとんどなんですが、今年はメジャーの一角Big Tenは既にトーナメント終了でMichiganが優勝しています。なぜそんなに早く終わってしまったかというと、今季Big TenはトーナメントをどうしてもNew York Madison Square Gardenで開催したかったのです。しかし同所では伝統的に東部を地盤としていたBig Eastがトーナメントをその時期は行う予定になっており、Big Tenでも割り込めず。それでもNew York開催にこだわり、それも同市内の他の施設、Barclays Centerではダメなのか、というと嫌だそうでMSGで開催。トーナメントのスケジュールが一週間も前倒しになったのでBig Tenのレギュラーシーズンの対戦も昨年末からスタート。各校のコーチには不評でしたがとにかくそういうことでメジャーカンファレンスで唯一シーズンを早々に終了しています。Big Eastは数年前のカンファレンス再編でバスケだけのカンファレンスに模様替えしており、カレッジ界の最強カンファレンスを自負するBig Tenはカネで解決すればMSGを乗っ取れるとでも思ったのか。

West Coast Concerenceの常勝校にして昨季の準優勝校であるGonzagaが今年も同カンファレンスの決勝に進出。決勝進出は21年連続だとか。今季も好成績ゆえにカンファレンストーナメントに勝たなくてもNCAAトーナメントへの出場は事実上確定していますが、全米優勝を狙って本番のシード順をひとつでも上げておきたい事情もあり全力投球になってます。Gonzaga所属日本期待のRui Hachimuraはシーズン前半からも一皮剥けて今季後のNBAドラフト指名が確実視されるところまできて活躍中。一部のネットマスコミだとGolden State Warriors(今年も1巡目最後の方の指名権となるはず)にHachimuraはベストフィットではないかなんて書かれてますね。NBAの絶対王者に求められる可能性、すごい話だと思います。先日発表されたWCCオールカンファレンスのファーストチームに選出されています。HachimuraはGonzagaではベンチスタートなのに、カンファレンスではファーストチームに推されているというアンバランス。まあたぶんHachimuraは今季でプロに転向するので今のうちに賞はあげておこうという感じでしょうか。
Gonzagaはチームの厚みがしっかりしていることから今季もNCAA優勝を狙える位置につけています。今季僅か4敗。完敗はVillanova戦のみで(あの試合は見てましたがVillanovaの完勝、まったく寄せ付けずという感じの試合)あとの3試合はダブル延長戦など接戦での敗戦のみ。さあ今年はどこまで行けるか。ミッドメジャーからの全米優勝校が出るか。

もう一人の日本選手であるYuta Watanabeの所属するGeorge Washingtonは明日からAtlantic 10トーナメントに登場。シード順が低くカンファレンストーナメントを勝ち抜くには5日間で5連勝以外なく、チームの実力からしてもほとんど可能性はありません。シーズンの戦績も悪いことからNITへの出場もありえず、敗戦即Watanabeのカレッジ最終戦となります。George Washingtonの試合は攻守ともに戦術が行き当たりばったりな感じで、Watanabeにとってはエースとして出場していてもフラストレーションのたまるシーズンだったのではないかと思われます。カレッジ最後の試合となるA-10トーナメントでの活躍を期待していますが、Atlantic 10のトーナメント序盤の試合は全国放送がないので私は見られない予定。次にプレーする姿を見るのはNBA Summer Leagueとなることでしょう。
ちなみにWatanabeのレギュラーシーズン最終戦となった@Dayton戦は観戦。シーズン後半になってから3ポインターも入るようになり、チームの得点源として相手校にマークされながらも得点を重ねて恥ずかしくない成績での最終学年のシーズンとなってますが、Dayton戦はマークがきつくボールが回ってきても手放さなくてはならない場面が多かった。
シーズン全体を振り返ってみると当ブログで以前に報告したときがWatanabeにとってはほぼ今季のどん底の時期だったかと思います。あの頃3ポインターが20%を割り込むという壊滅的状態だったところからよく最終成績の36.9%まで戻したものです。リーチの長さやディフェンスの柔軟さをかわれてNBAドラフトでは二巡目下位での指名なら最良の結果。そうでなくてもドラフト外でNBAチームのどこかが拾うことはほぼ確実。Summer Leagueでもまれてどうなるか。
なおWatanabeはA-10のDefensive Player of the Yearを受賞したと今日発表がありました。