UCF出身のOLB Shaquem GriffinがNFLコンバインで好評です。Griffinは左手を子供の頃に切断。障がいがありながらNFLに現実的に手の届くところまで来ていることはすごいと思います。最高レベルのプロに到達した片手のアスリートとしては隻腕投手のJim Abbottという方もいましたね。

私は下半身麻痺のレスリング選手の試合に立ち会ったことがあります。アメリカにはAnthony Roblesという一方の下肢のない大学レスリング王者もいて障がいをもつアスリートに希望をもたらす存在でした。他にも両下肢のない大学レスリング選手のドキュメンタリーも見たことがありました。Roblesの場合は足がないことで同じ体重のクラスの選手よりも遥かに上半身に筋肉がついており一旦組んでしまえば同体重クラスの選手よりもパワーがあって相手をねじ伏せていたわけですが(そこまで鍛え込んだその努力、相手に決してバックをとらせない俊敏なスピンなど、刮目すべきことばかり)私が個人的に試合を見た選手は高校生で両足麻痺。たぶん下半身不随であったかと思います。つまり体重面でのアドバンテージなしでした。Rablesと同じようにそう簡単に相手にバックをとらせない動きに感心させられました。
それよりも感心したのが彼がマットに登場するまで彼のチームメイトもコーチも彼を他のチームメイトと同じに扱い、介護を一切しないところです。時間がかかりつつもひとりで松葉杖をついてマット際までやってきて、そこから這ってマット中央まできて対戦相手と握手して試合開始。予備知識のなかった対戦相手がとまどう中で試合をこなしていました。試合では接戦も敗戦。また這って松葉杖まで戻って苦労しながら自力で立ち上がりまたチームのベンチエリアへ戻っていきました。本人はもちろん立派ですが、周りが特別扱いしないというところに強さと独立心とその独立心への尊重を感じました。彼はきっと単なる社会の被保護者にはならないことでしょう。

話をNFLコンバインでのGriffinに戻すと、マスコミが報じているところではLBとしては40ヤードダッシュで2003年以来の最速とか。すごいですね。現実的に採用の可能性ありとのことです。実際にプレーとなると手先のある側を効かせるために一方にポジションが限られるし、サイズもNFLのLBとしては若干足りない。相手も容赦なく片手の彼の弱点を突いた攻撃を研究してくることでしょうから簡単ではないとは思います。それも跳ね返してみせるか。
しかしそれはそれとしてAbbottがそうだったように、またはRoblesがそうだったように、そして無名の高校生レスラーがそうだったように、我々に努力というものの意義、くじけないこと、与えられた境遇の中でベストを尽くすことを教えてくれる存在となることは確実でしょう。