先日少し触れたカレッジバスケットボールでのリクルートへの利益供与問題。FBIの捜査でリクルート生への10万ドルの利益供与について会話したのが傍受されたという件ですが、Arizona WildcatsのHC Sean Millerが記者会見でコメントを発表(質疑応答は一切なし)して、利益供与について話したことはあるが実際には利益供与は一切ないとつっぱね、学校側もこの内容を支持、昨夜の試合でコートサイドでの指導に復帰しています。思い切って賭金を釣り上げてきました。はらはらする今後が期待できそうです。同時に短期での決着はなくなったか。
Millerのコメントのポイントは利益供与について議論した事実は認めたこと、しかし実際には利益供与はないと明言したことです。つまり俺を、またはArizona大を有罪にしたいならカネの流れを証明してみろというわけです。関係者と議論しただけでは有罪にできないだろと言っていることになります。FBIから見たら挑戦に見えるはず。
これ、すごいことになる可能性もあります。もしそれが証明できるとMillerは最大禁錮60年という処罰が待っています。大学の責任者も同様で相当に重い処罰がありえる。個人の訴追以外にもArizonaバスケの活動の完全停止措置にもなるでしょう。
確かに変な形で会話の傍受が先週リークされたということは、逆にカネの流れについてはFBI側が確証を持っていないから、という推測は可能かと思います。
同時にこれでArizona逃げ切りとなるとFBIとしてもあげた拳の下ろしどころがない。どうするのか。

スポーツとFBIというと、2015年に大騒ぎになったFBIによるFIFAの汚職追求というのもありましたが、あれもCONCACAFの小物理事などを落としたもののその後はなにも起こらず大物は逃げ切って立ち消えになってます。(
それどころか2026年のW杯北米招致も当時のFIFA幹部からの報復でモロッコが開催国になりそうという報道すらある。それはまた別件
FIFA追求につづいてカレッジバスケでも似た終結を見ることになるのかどうか。メンツをかけてカネの流れを解明できるのか。仮想通貨を利用してのマネーロンダリングがここでも有効となっている可能性を感じます。

逮捕者が出るかどうかはともかく、FBIがオバマ政権下でカレッジバスケの裏金問題の調査に入ったのはそれが目に余るものである、という非公式な情報があってのことかと思います。行き過ぎたリクルート生への利益供与の慣習が今回の騒ぎで下火になるのかどうか。高校から直接プロに行けるようにNBA側がルール改正すればそれでこの問題が解決する話なのかどうか。