平昌冬季五輪の男子アイスホッケーでなんとドイツがディフェンディングチャンピオンのカナダの猛追をかわして4−3で勝利、決勝進出を決めてます。これはNHLの不参加が意外なメリットとしてNHLに返ってくる状態となるか。

ドイツは決勝進出で銀メダル以上が確定。過去のドイツの五輪でのメダルは西ドイツ時代の1976年インスブルック大会で銅メダル、ヒトラー執権以前の1932年に銅メダル獲得の史上二度のみですので、現時点で同国の過去最高の成績となることが確定しています。前回ソチ大会には予選敗退で出場できず、その前のバンクーバー大会では11位。今回もグループリーグで1勝2敗(1勝は延長戦勝利)。オリンピックには来たもののメダル候補とはまったく考えられていなかったチームが、グループリーグで全体首位だったスウェーデン、ホッケー強国カナダを連破して決勝へ。ドイツの対カナダの過去の対戦成績は1勝27敗1分だったとか。決勝の相手はOARです。

試合は第3ピリオドにカナダが王者の意地での反撃で2ゴールを挙げてその後もドイツゴールに迫る緊迫の終盤戦となりました。ドイツは第3ピリオド、SOG1(唯一のSOGはペナルティショット→失敗)で防戦一方。身体を張って耐えきっての勝利となってます。
カナダは第1ピリオドでのペナルティ連発(2つ目はフェイスオフで審判の指示に従わなかったという無意味な反則)で5対3の場面となって先制点失点、第2ピリオドにドイツに押されまくった挙句、ラフ行為で5分のメジャーペナルティを食うなど自滅っぽい敗戦。最終ピリオドのあの迫力が出せるのに、その時点までギアがトップに入らなかったのが今回のチームの限界か。

このドイツの突然の確変。これが起こった下地はNHLの選手たちが今回の五輪に来ていないことでしょう。カナダや米国を始め、他のホッケー強国のベストの選手たちは大量にいまもNHLでシーズン拘束中。対してドイツは自国内リーグの選手たちで固めています。ざっと調べてみると現役のドイツ人NHL選手は7名、うち2名はゴーリー。過去の国際試合の戦績も冴えない、NHL内での存在感も低かったドイツが躍進できたのは他のホッケー国と比較するとNHL選手の五輪不参加でのチーム力低下が比較的軽微だったからでしょう。
そしてもしこの大躍進を期にドイツ国内でのホッケーへの注目度が高まったら、近年欧州での公式戦を頻繁に組んでいるNHLは喜んで来季ドイツでの公式戦を組むことでしょう。NHLが選手を五輪へ派遣しないことでの国際的な露出低下などデメリットを云々する議論もあったわけですが、ことドイツに関してはなぜかNHLの派遣拒否がホッケー市場の拡張に繋がったなんてことになるかもしれないのです。

決勝はドイツを応援してみたいと思います。ロシアの方がずっと強そうですが。