NHL関連で連投します。Vegasはシーズン前の予定を変えてタンクするのをやめたようですが、別のチームが堂々タンクへとシフトしています。
東の人気チームNew York Rangersの首脳が公式のSNSで署名公開書簡を出して、トレード期限を前に今季のギブアップを宣言しています。今季の残りはチームを将来へ向けての立て直し策に向けるとしています。これはなかなか新しいことをやりだしました。

現在Rangersは東カンファレンスの11位、プレーオフ圏内の8位までは勝点差は僅か3。残り試合数は28試合もある。ギブアップ宣言したものの来週の今頃までにプレーオフ圏内に復帰していたりするかもしれないような僅差です。この時点、この位置で公開ギブアップというのはアメスポで過去例がないのでは。
トレード期限を控えてプレーオフを目指した補強をしないどころか、手持ちのベテラン選手の売る側に回るよという意味でしょう。Rangersの細かい選手の契約事情は存じませんがこれは新しい。NFL/MLB/NBAでタンク流行りなのは何度か当ブログでもご紹介してきましたが、その流行がNHLにも波及してきたということか。

New Yorkでタンクというと一昨年、MLBのNew York Yankeesがシーズン中にベテラン選手をごっそり処分してシーズンを投げたことがありました。Alex Rodriguez, Mark Teixeira, Alordis Chapman, Carlos Beltranと軒並み放出・引退勧告。NHL Rangersのように言葉でギブアップ宣言したわけではないですが、どう見てもギブアップな態度。
ところが若手にざっくり切り替えたら若手が活躍して成績が伸びてしまった。若手に切り替わった直後の8月に勝ち越してプレーオフも見えてくる始末。Chapman放出早まったか?と言われたりしたんですが、9月に勝ち星が伸びずプレーオフは逃しました。しかしファンはいきの良い若手選手たちに来季の飛躍の可能性を感じてハッピーな新旧交代のシーズンとなったわけです。そして実際に翌年2017年シーズンはAaron Judgeが大ブレイクを果たすなどでコンテンダーに。ちょっとうまく行き過ぎなぐらいうまく行ってます。

Yankeesの世代交代の大成功を同市内で間近に見ていたNHL Rangersの首脳。Yankeesのアレをウチでもやりたいねという話になったとしても気持ちはわからないではないです。サラリーの高いベテランを外しつつ他チームのプロスペクトやドラフト権をかき集める。今季の残りシーズンは若手中心に切り替えて今NHLで流行りのスピード重視の走り回るホッケーでもやって、それで少々勝点が伸びれば安価にかつ将来の希望をファンに与えつつプレーオフ圏内到達することだってありうるね、そうなったらラッキー、ならなくてもまあ良いじゃないかというところか。
Yankeesの世代交代がうまく行ったのは一気に切り替えにいった2016年以前から4年ほどかけて自前の選手育成に励んできたからです。大物FAにあまり手を出さずに(Ellsburyは失敗例)、自ら悪の帝国の座から降りて自重した。悪の帝国はやめても他のMLBのタンクチームのようにボロボロにはならなかったので目立ちませんでしたが、Yankeesのようなチームとしては相当に我慢したと言える。そういう準備がRangersにできているのか。たぶんできていないはずです。昨年まで毎年のようにトレード期限に補強していたのですから。それでもこの新しい公開ギブアップの試みがファンにどう受け止められるのかはちょっと楽しみですし、その戦略が数年後にどういう風に形になっていくのかは気になります。