ジャンル違いなので書こうかどうか迷うネタだったのですが、別項のコメント欄で触れてしまったのでとりあえず個人的感想を。World Wrestling Entertainment WWEの恒例Royal Rumbleで日本のShinsuke Nakamuraが優勝して次期WrestleManiaでWWEヘビー級選手権への挑戦権を手に入れてます。興味のない方からするとなにがなんだかわからないでしょうが細かい説明は飛ばしていきます。(このヘビー級選手権という言い方がプロレスらしくていい、と自己満足してしまいます)

まずアメリカでの新日本プロレスの放映状況の話から。AXSというチャンネルがあります。基本的には音楽局で、長編のライブコンサート番組が主。それがなぜか数年前に突然New Japan Pro−Wrestlingの放送をやり始めたときにはびっくりしました。なぜ突然新日本プロレスなのかと。他にもMMAの番組があったりしてAXSは音楽専門局ではなくなったのでした。想像するに音楽ソフトのオンデマンドでの視聴方法が急激に増えて従来のコンサート番組だけではチャンネルの存在が危うくなったという理由かなと。それで新日本プロレスが放送になっているんですけれど、それがたぶん日本で放送されているものとは違うのかもなーと思われる内容でした。日本での放送カードを知ってるわけではないので確たることは言えませんがAXSでやっているのは基本的に「外人レスラー」の登場試合ばかりなので、たぶん日本人登場試合は少なめに編集しているんじゃないかと思います。
あー今は新日本プロレスってこんな感じなのねとは思いましたが、それはそれっきり。熱心に見たわけではない。ところが実はこれが意外にアメリカ市場でウケていたらしいということに後から気づくことになりました。New Japan Pro-Wrestling番組に出ていた外人レスラーがWWEに引き抜かれてデビューしている。そして本稿の主役中邑真輔Shinsuke Nakamura選手がWWEにスカウトされたのもAXSでの放送が効いていた可能性は高い。AXSでの新日本プロレスの放送が始まったのが2015年、NakamuraがWWEとの契約を交わしたのが2016年前半です。

私はNakamura選手の日本でのスタイルを知らないのでスタイルの変遷などはわからないですが、今やってるスタイルと衣装姿形を見ると連想するのがNarutoに出てくる忍者みたいだな、と。アメリカ人一般にとって日本といって一番触れる機会の多いのはアニメ(と、あとは自動車か。昔はTVもそうだったんでしょうが死滅しました)。そのイメージに合ってるなあという感想を持ちます。リングネームも本名のままというところが良い。日本風の名前をアメリカになじませてくれたのもアニメの功績かと思います。そうでなかったら変なアメリカ用の名前をつけられていたことでしょう。

話を端折ります。今回NakamuraがRoyal Rumbleを制してWWEの最高権威WWEヘビー級選手権に挑戦するというのはどういうことか。WWEが新日本プロレスから引き抜いた外人レスラーのAJ Stylesが現WWEヘビー級選手権者。ここにNakamuraを挑戦させるということはチャンピオン挑戦者ともに元新日本の選手。つまりWWEが新日本プロレス風のWWEヘビー級選手権試合を欲しているってことなんですね。たぶんHHHなりのWWEの企画担当役員が新日本プロレス風の試合に感心して、新日風の試合をWrestleManiaでやりたいということなのです。(Vince McMahonはXFLの仕掛けで手一杯であまり噛んでないから実現できたのかも)
日本のプロレスというのは独自の発展をしてプロスポーツエンタメとして長年生き残っているわけです。ストロングスタイルと呼ばれ、または猪木イズムと呼ばれた格闘技との境界線でプロレス興行が発達していったわけですが、それが半世紀後、その戦い様がWWEの最大の舞台を乗っ取るのだと考えたらすごいことだと思いませんか。AXSという音楽局の危機感が始まりで、その結果猪木イズムの後継者がWrestleManiaでWWEヘビー級選手権試合。そういう不思議な巡り合わせを感じ取れることに幸せすら感じます。