まったく動かないMLBのFA市場。各チームの補強が進まず今季のペナントレースの予想番組も成立しない状況です。いまは紙媒体でチーム名鑑みたいな雑誌を発行・購入する人は減っているのでしょうがそれにしても雑誌泣かせな展開ですね。
そんな中、Milwaukee Brewersが静かに動いてポストシーズンへ挑戦する態勢を整えつつあります。昨年86勝76敗。ワイルドカードに1差、NL中地区で首位Chicago Cubsに6ゲーム差でのフィニッシュ。今オフに失った戦力は少ないのでこの勝ち数の差を今季の補強で埋められるか。あとは一人核になる先発投手が必要ということで、候補としてYu Darvishが候補になっているという状況です。Darvishは自信家かつWorld Seriesに勝てるチームに行きたいという意欲があるようですから地味なMilwaukeeは眼中にないのかもしれませんが。
ともあれMilwaukeeはLorenzo CainとChristian Yelichを獲得して打線はグレードアップした、とも言えるんですが獲得した二人はともに外野手。外野がダブつき気味。そこで急浮上したのがMilwarukeeの生え抜きのベテラン、元NL MVP Ryan Braunが本人が志願で二塁手へコンバートするという報道。これはちょっとした驚きです。元々Barunは三塁手としてプロ入りしていますがその後外野へ。その打撃を活かすために内野での守備を諦めた選手と言えます。
MVP、2012年にはあのGiancarlo Stantonを抑えてホームラン王にもなっている地方球団Milwaukeeの大物。でも全国区ではBraunと言えばPED使用での騒ぎの印象ばかりが強い。MLBから処分→処分無効→勝利宣言→やっぱり処分出場停止→ごめんなさい使ってましたと全面降伏、となった一連の事情は他の処分された大物選手たちのそれよりも派手なほどで印象は悪い。その後もMilwaukeeにとどまったものの基本的には表立った発言はほとんどなく黙って野球をやり続けていた感じです。Braunの問題は当ブログでも当時何度もとりあげてPED取締の制度上の問題なども含めて大いに議論しました。いまから読んでもなかなかにおもしろい事件だったと思います。例えばこちら
同じPED使用で撃ち落とされた選手でもより知名度も高く報道も派手だったAlex Rodriguezなんかはいまは明るくFOXのポストシーズン解説はじめスポーツイベントの会場にもよく顔を出しておりPED違反と処罰の影響を感じさせないんですが、Braunというとその後まるで静かだったこともあって久々に今回全国メディアに話題が出ると、あーあのBraun、という生暖かい感じがさびしい。

それはともかくRyan Braunが全国メディアの話題になるのは久々。FAがまるで動かず例年ならスポーツメディアでMLBの話題が増えてくる時期なのに他に話題がないから、という理由もあるんでしょうがBraunが志願して二塁手をやると言い出したという報道がMLB報道の上の方に来てます。上で述べたようにMilwaukeeの補強で外野がだぶついている。自分が弾き出されることはないであろうが、これが現役中最後で最良の優勝のチャンスという判断なんでしょう、なんでもやる、二塁手だってやる、という話になってます。そういう意欲は買うべきではないかと思います。マネーゲームでもなく、優勝できるところにリングを求めて移籍を目指すのでもなく、いい歳になってから難しいコンバートを志願しても勝ちたいというのはスポーツ選手の行動としては支持したいです。
ただ実際にできるかどうは別の話。セカンドは簡単なポジションではない。大学時代は当初ショートストップとしてプレーした経験から自分はミドルインフィールドもできるはず、という思いがこの申し出の基盤にあると思います。外野にコンバート後に内野練習をしてきたのかどうかはわからないですが、試合での出場経験はほとんどないはず。三塁手だったときの守備指標も良くないようです。どうなるかはわからないですが、PED後の男のひとつの生き様として34歳のベテラン選手の挑戦がどうなるか気になります。