試合の興奮冷めない翌朝であります。

試合以外の話を。まずトランプ大統領の訪問から。私は事前に知りませんでした。保安上の問題からあまり事前におおっぴらに宣伝するようなものではないですが。出てきた瞬間に、ああこれはNFLへのあてつけだな、と。今回のCFP優勝戦は南部ジョージア州アトランタでの開催。出場校はGeorgiaとAlabama。どちらも南部でトランプ大統領を当選させた地盤です。あの場に観客として入場していたのは南部の経済力があるひとたちばかりでしょうから大半はトランプの支持者と重なるはずでブーイングを浴びる心配はほとんどなかったはず。どこが優勝戦に残るかは決まっていなかったですが、準決勝で敗戦したClemsonもサウスカロライナ州、Oklahomaがオクラホマ州と4校全部トランプの強い州の学校でしたね。残った二校がより南部っぽいですが。

カレッジスポーツではプロのように人種問題への抗議行動が表面化していません。細かいことはあるんでしょうが、表立ってうねりになるようなことはない。NFLの選手会に類するような横のつながりもないですし選手たちはまだ子供ですからね。

トランプ大統領はその昔NFL Buffalo Billsを買収しようとして既存のオーナーから忌避されて失敗した過去がありそれを根に持っているという説もあります。例の国歌演奏時の起立問題でNFLをさんざん口撃したのは起立問題そのものだけでなく、その過去の怨恨込みではないかとされます。それはそうとしても人気商売の政治家でアメスポ最強NFLに正面切って食ってかかれるのはトランプ以外は考えにくい。分断をしかけ、その分断のダイナミズムを自分への支持につなげるという手法の是非はありますが、確かに方法論としてはありうるのでしょう。支持者にNFLの試合への入場拒否を呼びかけたり、そして実際にその影響らしいNFLの試合での空席が目立つ事態が現出しています。試合に行けない・行かないだけならいまは転売市場が整備されていますから人気のNFL、空席にはつながらないはずですが、実際にはある。お金に困っていないシーズンチケット購入者がチケットを握りつぶしていて本当にトランプに呼応してるんだろうなあという感じですね。NFLのTV視聴率が落ちているのもその影響なのかどうか。ワイルドカード週の視聴率もかなり悪かったみたいですね。この数字の下落を来季以降に向けてNFLのオーナーたちがどう考えるのか。水面下に潜ってまだいろいろありそうです。


もうひとつ試合以外の話。事前に少し書いておいたハーフタイムの新企画。Kendrick Lamarのハーフタイムショーは試合会場ではなく、同市内野外の五輪公園に作られたステージでフリーコンサート形式。その模様は試合会場内の巨大モニタでも映されたようです。同夜のアトランタはかなり寒かったようでKendrickも聴衆もしっかり防寒むくむく。試合会場はインドアのMercedes-Benz Stadium。パフォーマンスは野外。インドアでぬくぬくのトランプさんとその支持者と、野外で寒そうな黒人ラッパーと試合とは客層の違う聴衆。ここにアメリカの分断を見てしまう感じです。Kendrick Lamarは公にCollin Kaepernickの支持者で歌詞もその方向のものが多いようです。CFPとしてはこれで両陣営のどちらかに偏ったわけではないという表現なんでしょうね。


Mercedes-Benz StadiumはNFL Atlanta Falconsの新本拠地。FalconsはNFLプレーオフに残っているもののワイルドカードでの出場でもありもう今季本拠地で試合をすることはないわけですが、Falconsのオーナー夫妻がこの日のCFP優勝戦に来てましたね。昨年のSuper Bowlでもう勝った!と思ってスイート席からフィールドに降りてきたらあれよあれよの大逆転負けで呆然としていたあのオーナーさんArthur Blankです。慈善家であると紹介されていました。上のラッパーのフリーコンサートの感じでもそうですが、アトランタっていう街は白黒分断がかなり露骨な大都市なので慈善家という立ち位置は大事なんだろうなぁという感じがします。いろいろ複雑ですね。