e-Sportsをアメスポブログに含めるべきかどうかは大いに躊躇するところですが、将来に渡って無視しきれない面がありそうなので少しだけ。

現在メジャーTV局ではTBSでe-sports番組であるELEAGUEが毎週の定時放送になっています。また以前にも当ブログで報告してありますがアメスポ放送の最大手のESPN系列ナンバー2局であるESPN2でStreet Fighterなど人気ゲームのトーナメント番組も単発で存在しています。


我が家はPlayStation派(こういうところは日本人)なんですが、PS4に対応したGran Turismo Sports(以下GTS)が2017年10月にやっとリリースになりました。前作Gran Turismo 6がリリースされたのが2013年末で、それはPS4コンソール自体のデビューとほぼ同時。GT6はPS3向けでPS4未対応という実に悪いタイミングでのリリースでした。それから長い4年を経てやっとPS4対応のGTシリーズの新作GTSがリリース。私はどうにもスポーツのシミュレーションゲームには関心がないのですがなぜかGTだけは関心がある。他のレースソフトが何種類もPS4向けにリリースされてもGTの新作はまだかと待ち続けていたわけです。どうもそういう人は私だけではなかったようです。

しかしながらGTSの評判はすこぶる悪い。Amazon.comだとレビュー総数の50%が☆一つ評価という有様。ゲーム専門サイトでも酷評が多い。主に車種選びが大きく制限されたところ、育成モードが廃止されたこと、オンラインでしかレースできないどころかオンラインでないとゲーム進行のセーブすらできないことなどに旧作のファンが深く失望して酷評を集めていました。10月リリースなのにクリスマス商戦であっさり値崩れしたところを見るとネット上の評判の悪さが販売の数字にも響いたのかもしれません。デビュー僅か一ヶ月後のアップデートでオフラインでもレースできるようになったんですが、でもそんなパッチを当てたってAmazonの大量の酷評レビューの数々が消えるわけじゃないですからね。

いまってローカルでのマルチプレーヤーのできるゲームが絶滅危惧種になってしまい(Call of Dutyぐらいか)なんでもかんでもオンライン対戦なんで、GTがそういう方向に行ったのはビジネス全体の流れとしては自然なんでしょうが、GTファンが求めていたものと違うものになってしまったのは否めない。

開発側からすると、コンソールゲームのブランドネームであったGTを後発ながらe-sportsでの一大ジャンルにして「レースシミュレーションといえばGran Turismo」としてe-sports界で主導権を取るためにはユーザーにローカルでシコシコ楽しむ環境を提供するよりもどんどんオンラインレースに参加して欲しいということだったんだろうと思いますけど、そんな売り手の思惑を押しつけたのが大失敗したということに。大不評を受けて即座にローカルでレースができるアップデートが配布できたということはローカルモードの開発も当然済んでいたのに政策的な理由で実装していなかったということです。恣意的なオンライン誘導ですね。4年の遅れの間にゲーム産業を取り巻く環境が変わり、e-sportsという新たな必須ステージが成立してしまった。4年もの後発というのが開発側の焦りとなって消費者無視な内容のリリースになったのがこの先どういう結末を迎えるのか。先行する他のレースシミュレーションゲームをGTが見事オーバーテイクしてe-sports時代でもGran Turismoの名を同ジャンルでのナンバーワンブランドにできるのか。熱心なファンたち(たぶんゲーマーとしてはかなりの年長世代)に嫌われながらもユーザーの裾野をe-sportsに積極参戦する若い世代にも広げられてそれが達成できるのかは気になるところではあります。


(こういう過去触れた事もないジャンルのことを書くのは冷や冷やします。一応e-sports繋がりということでご容赦ください。)