昨日たまたま私はテネシー州Nashvilleにいてちょっとびっくりしました。大型街頭広告でMLSの新チームのチケット予約を促すものが出ていたからです。少し前にも当ブログでも書きましたがサッカーMLSは次期拡張先としてNashvilleを含む4都市から2都市を選ぶと発表していました。MLS Cup決勝のときの話ですから今月の頭のこと。結果から言うと水曜日の夜の段階でNashvilleが拡張先として決定したことが発表されていたようで、昨日金曜日に早くもチケット予約を宣伝という運びになっていたようです。私はその水曜日の発表を知らなかったので、まだ拡張先候補になっただけで宣伝しているのか?と驚いたわけです。候補として公表になってから決定までも早かったのでまさか既に決まっているとも思わず、決まっていたとしても一日半後に早くも宣伝が出ているというのも早い。その宣伝には既にチームのロゴらしいものも示されていて熱の入りようがすごいようです。

Nashvilleという街は近年になってプロスポーツが盛んになった街。NFL Tennessee TitansがHouston/Memphisから移転してきたのが1998年。NHL Nashville Predatorsができたのも1998年。いずれも歴史が20年に満たない。それ以前にはマイナープロスポーツしかなかった。しかし同州の経済的発展と軌を一にしてどちらも興業としては大いに成功しています。NFL TitansとかぶってしまったNHL Predatorsの方は出遅れていたんですが最近になってNHLで勝てるチームとなったことで営業上の危機を脱しています。全体の評価としてはこれらのメジャープロスポーツができたことで都市としての魅力と露出が大幅にアップしたと地元では評価されており、その勢いに乗ってプロサッカーMLSチームのNashville進出も決定したということのようです。

先日も少し触れた通りNBAやMLBがリーグ拡張に二の足を踏む中、MLSが着々と中都市に進出を果たしている。特に春〜夏シーズンの重なるMLBはこれで良いのか?、もうちょっと攻めのマーケット浸透をしないと将来取り返しのつかないことになるのではと他人事ながら気になります。MLBはいまは全国的に人気のあるチームや選手というのが存在しなくなっているので、各地元のローカルな人気がMLB人気全体を支える傾向が強くなっていますから、より多くの都市を網羅した方が良いはずですが。


MLS関連では別の話としてNew York City FCの新スタジアム構想が頓挫したようです。Nashvilleへの進出はMLSにとっては好ニュースでしたが、New Yorkではうまく自治体を取り込めず。全米各地で一進一退という感じでしょうか。

2015年シーズンからMLSに参入したNYCFCは現在MLB New York YankeesのYankees Stadiumに間借りをしており、近い将来に独自のサッカー専用スタジアムを建設することを目指していました。過去何度も計画が失敗しており、最新の案だったBelmont地区にスタジアムを建てるプランの代わりにその土地にはNHL New York Islandersのアリーナを新設するということに決定したとのこと。Islandersはつい最近Long IslandからBrooklynへ移転したばかりですが、そこからさらに再移転ということになるようです。まあBrooklynのアリーナが元々ホッケー開催を想定していない設計でアイスリンクがアリーナの中央からズレているという見映えの悪さ、見にくさがあったり、元の地元であるLong Islandからまるで逆方向であったので過去のファンから切り離されていたのもマイナス要因でした(とは言えそんなことは移転前からわかっていたことですが)。

MLSの新サッカー場建設とNHLの新アリーナ建設がそれぞれ推進されていたんですが、軍配はNHLの方に上がったことに。確かにNHLの方が試合も多いし、それNHL以外でもアリーナの方が稼働日数が多く利益になりやすいのは間違いないでしょう。サッカー場では他の使いようというと全米各地でよくあるのは高校フットボールのプレーオフの会場になったりというところですが、ニューヨークは高校フットボールが盛んとは言えませんし。