バスケットボールNBAとホッケーNHLはいくつかの都市でアリーナを共有してホームとして利用しています。最新だとDetroit PistonsとDetroit Red Wingsとが新設のアリーナに入居したばかり。

他には(前がNBA、後ろがNHLチームです) New York Knicks/Rangers, Brooklyn Nets/Islanders, Washington Wizards/Capitals, Boston Celtics/Bruins, Toronoto Raptors/Maple Leafs, Philadelphia 76ers/Flyers, Miami Heat/Panthers, Chicago Bulls/Blackhawks, Dallas Mavericks/Stars, Denver Nuggets/Avalanche, Los Angeles Lakers+Clippers/Kings, 見落としがなければ12都市13チームが共同で使用。Los AngelesのStaples CenterはNBAの2チームとNHL Kingsと併せて同じ時期に3チームがシーズンを行う、たぶんアメリカ中で一番稼働率の高いアリーナでしょう。

NBAが全30チーム、NHLが31チームのうち重なっているのが12~13というのは少ないように思います。NBAでは単独でアリーナのメインテナントになっているところが17チーム、NHLで19チームもあるということですから。同じ都市圏だけれどアリーナはNBAとNHLで別というところもあります。Minnesota TimberwolvesとWildがその例。ほとんどのアリーナは1990年代の後半から21世紀初頭に建てられたもの。


細かくみていくとそれぞれのリーグの歴史が感じられておもしろいです。NBAのNHLと重なっていない都市のチームを見ていくと1970年代に合併したABAのチームのホームが目につきます。当時までにNBA自身が進出していた都市は誰でもが選ぶ王道の大都市が多い。対してABAがNBAの対抗リーグとして進出したSan AntonioであるとかInidianapolisであるとかは当時の基準ではNBAに限らずメジャースポーツは出て行かなかった中都市だったわけです。NBA自身ではそういう地方都市への進出は二の足を踏む。でも後発のABAはそういうところへ攻めて出て行った。結果的にはNBAはABAを吸収したことでそういう地方都市への進出を果たすことになりました。いまでこそIndinapolisにはNFL Coltsがあります(1984年にBaltimoreから移転)がNBA-ABA合併当時は唯一のメジャースポーツが同地にできたわけです。San Antonioはいまも唯一ですね。その後もNBAはNFLやMLBがチームを持たない土地に出て行った。Sacramentoもそうですし、Utahもそうです。NFLやMLBよりも運営コストが低いという強みもあり積極的に攻めの拡張をしてきたのです。

昨今のサッカーMLSの攻めの拡張中、MLSほどでないにしてもNHLが再びリーグを拡張モードにしようとしているのに比較してNFL/MLB/NBAの拡張意欲は低いです。現状のビジネスが順調であるから無理な拡張は必要性が低いのも大きな理由でしょう。同時に3大スポーツはそのビジネスが巨大になり過ぎて新チームの結成にかかるコストが大変な額になる。メジャースポーツチームのオーナーになりたい投資家はたくさんいるので既存のチームの転売価格も上がる一方。サラリーを始め運営コストも巨大だ。そういう投資を回収できるような新たなマーケットはもうなかなかないので拡張できないというのが実際のところなのでしょう。

対してMLSはリーグへの参入金が一時点と比較して驚きの50~100倍ぐらいになってますが、それでもメジャースポーツよりは遙かに安い。そして選手のサラリーは激安。いまでもリーグ平均で3000万円程度、メジアンなら1人1000万円です。この年間コストの低さがあるのでMLSは他のメジャースポーツが絶対に入っていけない中都市にも入っていけるというわけです。(MLSの選手の待遇はちっとも上がらなくて選手達は不満が募っているのであろうと考えられますから今後の不安定要素ではありますが)