今後各リーグの拡張政策について書いてみたいので、その下準備としてこの項を設けました。

21世紀に入ってから4大メジャースポーツで新チームができたのは今年から発進したホッケーNHLのVegas Golden Knightが唯一です。NHLは先日も報告したとおりでSeattleに新チームを結成することを表明済みでもあり、メジャーの中では唯一積極的な拡張策にでているリーグということになります。他にもQuebec City、Torontoの第2チーム、Houstonの積極的誘致と有望な候補先あり。

NHLより遙かに大規模なビジネスである三大スポーツですと、NFLはチームの都市間移転は活発で、今後もカナダToronto、イギリスLondonにチームを移転して商圏を広げる可能性がありますがチーム数の増加・リーグ拡張となるとトーンダウンする。MLBはカナダ仏語圏Montrealへの帰還を具体的に検討。他にMexico CityとCharlotteを検討中とコミッショナーが発言してますがMexico Cityは眉唾な気がします。実質新マーケットはCharlotteのみ。MLBはそのスケジュール上2チーム同時の追加が必須ですからコミッショナーが三都市の名前を挙げた時点で1カ所は確実に落選ということです。NBAはSeattleへの復帰のみがコミッショナーの口から出る拡張先ですが、それすらもこの夏の発言では「優先事項ではない」とのことで大きな拡張はなさそうです。

4大からはひとつ格下として扱われますがサッカーMLSはこれは別天地。勢いよく次々と全米各地へ新チームを結成。メジャースポーツチーム数が停滞している中、2000年には12チームだったのが来季は23チームへほぼ倍増。ほとんど増加のない4大スポーツとはまるで違う。さらに2020年には2チーム追加の具体的なプランも進行中で、近い将来の25チーム化は確定的。25チーム中22チームが米国内3チームがカナダ。
2018年時点でまとめるとこういう感じです。括弧内は米国外のチーム数(=現時点ではカナダしかないですが)
NFL 32 (0)
MLB 30 (1)
NBA 30 (1)
NHL 31 (7)
MLS 23 (3) 
ざっと数字を眺めると誰でも思いそうなのがアメスポは30チームぐらいがだいたい限界なのか、ということ。MLSはまだそこにたどりついてない。NHLもアメリカ国内のチーム数だけとればまだまだ30にとどいていないから伸ばせる余地がありのように見える。そんなところでしょう。MLSの新チームへの需要が高いのは拡張限界(と見える)の30チームが近づく中で、最後のチャンスとして投資家・ホスト都市が飛びついているということでもあるでしょう。
本当のところ30チームが上限なのかどうかはわかりません。いまのスポーツビジネスで一番大事な放映権契約を取る上で全国をカバーしていると主張するためには概ねこれぐらいのテリトリーが必要ということではあるでしょう。同時にそれぞれのチームが満足できる観客動員ができる都市は今メジャーチームが出ている都市程度で限界だ、という意味でもあるでしょう。ただしこの満足の基準がそれぞれのジャンルで違う。基準が違うのでMLSには攻めで入っていけるマーケットでもNFLやMLBだととても基準を満たせないということになります。