変なタイミングでNFL New York GiantsがGMとHCを解任発表しています。ここまで今季2勝10敗。HCが解任になるのは何ら不思議のない成績です。GMを一緒に解任というのもまあありなのでしょう。解せないのはGiantsはタンクしていたんじゃないのか?というところ。勝つつもりがあって、そのシーズンに希望がなくなってHCを解任するならともかくなぜ今とは思います。シーズンがダメなのは0勝5敗の時点で明らか。もしそれでも足りないというなら1勝8敗の時点でも良いですが、なぜここまで引っ張った?という感じです。途中からは忠実にタンクの役割をしていたんじゃないの?という疑問。
ニューヨークのメディアからは陰謀説も出ているようです。曰くGiantsのオーナーはとうにGMとHC解任の腹を決めていたのだが、連続先発記録を継続中だったチームの顔であるQB Eli Manningの記録を途切れさせる汚れ役を彼らに押しつけ、それが完了してからこれ以上用なしになった彼らを解雇したのだ、という説です。なるほど、あり得そうな話です。連続出場記録の類というのはなかなかにチーム側からするとうっとうしい記録。特にEliのようにGiantsに二度もSuper Bowl勝利をもたらしてくれた功労者の退場は気を遣わねばならない。自分で切ると批判がオーナー側に来るので中間管理職に責任を押しつけて次の時代へという感じでしょうか。
後任にはAlabama HC Nick SabanやMichigan HC Jim Harbaughの名前が早出し情報で挙がってます。む。Harbaughはぴったりの職のような気がしますね。ちょっと前にも書きましたがMichiganで今季はずいぶん静かに口を噤んで1シーズン過ごしましたし、あいかわらずOhio Stateに勝てないし、今オフには取り沙汰されないでしょうが同じようなシーズンがもう1シーズン続くと次オフには交替論が出始めそうなのはご本人も感じているはずです。Nick Sabanの方はまたプロでやろうなんていう気持ちを持っているんでしょうか。Dolphinsのときは散々でしたが。それにSabanのAlabamaはプレーオフがありますから少なくとも新年までは忙しい。まさかGiantsのHC職がプレーオフを抛って就くようなそこまでの魅力ある地位とも思えませんから、Saban狙いならNFLレギュラーシーズン終了後の話となります。だったら今HCを解任しなくてもいいですよね?
新GM、新HC、そして新QBで完全出直しモードのGiantsということに。Eli放出も現実的になってきたようです。
オフェンスラインは脆弱でパスターゲット2人は離脱、Eli Manningも控えWRたちで状況を打破できるほどの力は残っていないと勝てない条件がそろったところで、オーナーたちは今シーズンをあきらめ、GMとHCにその責任を押し付け、さらにEli Manningにも別れを告げるまでのシナリオを描いていたのではないでしょうか。
そして、功労者Eli Manningをスターターから外す嫌な役目は、クビになるHCに押し付ければいい。
こういうやり方は、民間企業でも経験があります。 具体的には、オーナーの家族や仲間たちの判断ミスで溜ってしまった不良在庫の処理(利益率度外視の大安売りで販売)をクビにする予定のCEOに押し付けてその年度に赤字を集中させ、自分たちの仲良しにあたる次のCEOの政権からは財政的もきれいな状態でスタートできるようにする、というやり口ですね。
管理人さんが以前、Chip KellyのPHI時代に選手たちのサボタージュがあったのではと書かれていましたが、今年のNYGもそうかもしれませんね。
特にWRのBeckhamとMarshallは来年で契約満了。 ということは、来年パフォーマンスを上げるために今年は無理をしたくない、特にプレイオフの望みがない状況で無理して頑張る必然性はない、くらいの判断はあったのかもしれません。
立場が危ういHCに対する一部選手のサボタージュというのは、タンクに入ったチームにはありえることですが、社会の嫌な部分を見せつけられているようで困惑しますね。