プレーオフやボウル戦の発表などカレッジフットボールの世界は話題が豊富な日曜日だったため地味な扱いになっていますがNebraskaの新HCに就任したScott Frostの就任記者会見がなかなか泣かせるものがありました。特に同州や同校につながりのない私が聞いていてもグッとくるような所信表明会見となり、古豪復活なるか期待したくなりました。

土曜日に前任のCentral Florida KnightsがAAC優勝戦を激闘の末勝ち抜き全勝でシーズンを終了。メジャーボウルであるPeach Bowl出場も決定。UCFのADは退任したFrostにPeach Bowlでの指揮をしてくれるよう公に表明。Nebraskaはボウルに出場しないのでFrostがNebraskaに就任しても公式の練習はできないため時間はある、なんていう理屈です。辞めた学校の指揮というのは珍しい話ですがどうなるか。今年からフットボールのリクルートのEarly signing dayが12月20日からなのでそちらが気になってとてもUCFのボウルの練習には付き合えないんじゃないかと思いますが。それでも辞任した学校からも惜しまれて去れるのは幸福な辞め方であるのでしょう。

Nebraskaで記者会見に臨むために同校に到着したFrostの就任を激励祝福するために100人ものNebraska時代のチームメイトが集まって出迎えたそうです。期待の大きさを感じたはず。続く記者会見ではFrost自身がTom Osborneの下でプレーした時代のように「ネブラスカ州の住民のすべてが連帯して誇りを感じるチームを再び作りたい」と熱く表明。UCFで0勝12敗だったチームを僅か2年後に12戦全勝のチャンピオンに作り替えた男の発言なので説得力が違います。いよいよNebraskaの逆襲復活が始まるのかもしれないと期待されられます。

Tom Osborneが退任したのが1997年。そしてその年がNebraska最後の全米制覇(スプリットですが)のシーズン。Osborneの後任だったFrank Solichの下で2001年のBCS優勝戦に進んだのがNebraskaが最後に全米優勝戦線にからんだシーズンでした。当時のNebraskaはプライド高く、僅か二年後に10勝3敗でSolichを解雇。プレースタイルを伝統のオプションランチームからプロスタイルへ変更したものの突き抜けた成績を挙げることができないまま目立たない地方校になってしまった。過去の栄光があまりに輝かしいので地元の落胆も相当に大きかったことでしょう。Big Tenに途中移籍して過去に激闘を重ねたBig 8/Big 12当時のライバル校との対戦がなくなったのもNebraskaファンにとっては寂しかったはずです。

Nebraskaが現在所属するBig Ten西地区はWisconsin以外は強い相手はいない。Nebraska自身の来季および近い将来のnon-conference戦もロクな相手が予定されていない(2020年にOklahomaと対戦するまで)ですからレベルアップがあればすんなりと勝ち星は増えるはずで、意外にも早く復活できたりするのか。私個人的にはやはりNebraskaは強くあって欲しいというノスタルジックな思いもあるのでこの若い有能なHCの登場は期待してしまいます。