いやいやいや。一週間前からは想像もつかないことが続いています。Monday Night FootballのDallas Cowboys@Arizona Cardinals戦。なんとあのDallas CowboysのオーナーJerry Jonesが試合前に選手達とともに(但し国歌演奏前に)跪くという事態に。驚愕の展開ですね。Jonesはこれまで抗議方法としての国歌演奏時の不起立には賛成しかねるという立ち位置だったのが急展開。まさかのご本人が参加してのコレです。
その場面、ライブで見ていなかったのが残念ですが、あのJerry Jonesが本当にそんなことまでするのかと。
Jerry JonesはCowboysのワンマンオーナーで組織内に面と向かって意見できるような人物はまずいない。NFL No. 1の人気チームのオーナーとしてSuper Bowlを勝ったHCすら次々切って棄ててきた。自分より目立つHCは要らない人です。そしてあの巨大にして美麗と異様を誇るAT&Tスタジアムの主。オイルミリオネアが集うテキサスでも特別な立場のビリオネア帝王。そのJerry Jonesが公然跪くとはびっくりです。まあ確かに芝居がかったことがお好きな方ではありますが。
昨日の日曜日の試合ではいくつかのチームのオーナーが選手達を腕を組んで組織全体での連帯を示す行動には出ていましたが、国歌演奏時には起立はしていた。そこからさらに一歩進んで、それもあのJerry Jonesが。これは一体どこまで行くんでしょうか。来週までには少しは沈静化しているのか。
一方、野球MLBで唯一膝付きの抗議行動にでていたOakland Athleticsのルーキー捕手Bruce Maxwellは抗議行動後初の試合出場を先発で果たしています。抗議行動が理由で干されているわけではない、ということになりました。
今日MLB Networkでもこの問題を議論していました。野球ならではの問題もあるみたいですね。30球団ありますが、なんでもアメリカ人の黒人選手はいま60人だか70人だかしかいないとか。各チームに2人の勘定です。そんなに少ないの?とびっくりしました。肌の黒い選手はたくさんいますが、ドミニカ共和国など中南米カリブの出身者の方がアメリカ国籍黒人選手より多いんですね。なかなか複雑です。あまりに少数なのでMLBではマイノリティとして声をあげにくいということをChris Archer (Tampa Bay Rays投手、今春のWorld Baseball Classicの米代表優勝チームのメンバー)が言っていたようです。うーん。WBCのアメリカ代表といえばWBCの期間中に監督だったJim Leylandは「国歌で起立しない選手は出場させない」と明言していました。
また別の意見としてMLBは毎日試合をする、この国歌問題を毎日誰が立つだ立たないだとやらなくてはいけないのは選手にとってすごく負担だ、という意見もありました。週一の(あとの6日間は練習に集中できる)NFLとは違う。だからできれば関わりたくないと。それも正直な気持ちとしてはわかる気もします。
いまいちこの「国歌斉唱」問題の概要がつかめないんですよね。少なくともトランプ氏の発言を見ると、彼を擁護する人の理由がさっぱり分からないんです。前稿のレブロンのコメントは「ちょっと言葉きつくね?」とは思いましたが、決して間違っているとは思えない。
MLBのアフリカンアメリカン減少問題はそれはほんと驚きではあるのですが、ここ数年はドラフト上位指名される選手も増えて来て、ちょっとずつではありますがMLB機構の取り組みの成果なのかなと思ったり(微々たるものでしょうが)