カレッジフットボール第三週の最後を締めてくれたTexas@No. 4 USCのダブルOTの試合がいま終わったところです。最終スコアは27-24でUSCが勝利。12年前のBCS全米優勝戦を戦って以来の対戦となったこのカードでUSCが雪辱を果たしたことに。今季ここまででベストゲームか。

12年前のRose Bowlで当時ともに12戦全勝で勝ち上がったTexas LonghornsとUSC Trojansが戦ったあの名勝負。当時の両チームのエースQB=Texas Vince Young、USC Matt Leinartがともに来場(Leinartは中継放送したFOXの解説者として)。場所はRose Bowlではないものの同じLos Angelesで。リマッチ感は試合前から十分。それぞれ遠くない一時期に全米優勝候補の常連だった両校ですが、昨今は全米優勝には少し遠いシーズンが続いている。それでもこの両校がこんな形で顔を合わせればビッグマッチらしさは満点。こんな雰囲気ならあのシーズンのハイズマン賞Reggie Bushも来たかったでしょう。(BushはNCAAルール違反を理由に紆余曲折の後、USCから絶縁扱いで出入り禁止)

試合の方はあの全米優勝戦のトップスター選手を集めたような華やかさはなかったものの、両チームの軽々の浅い若い選手たちが存分にプレーして熱戦に。Texasのフレッシュマン控えQB Sam Ehlingerが苦しい競り合いの試合で要所を締めて第4Qに逆転TDをねじ込めば、USCのQB Sam Darnoldが残り45秒タイムアウトなしからのドライブをFGレンジまで運ぶ。但しUSCのPKはこれまで一度もFGを成功したことのないフレッシュマンWalk-onの選手。これがUSCは三試合目ですが前の二試合では一度もFGの機会がなく(PATはたくさん決めてます)、この日の試合で初めて実戦でのFGに臨んで失敗。キャリア成績0/1のWalk-onのキッカーに同点の命運を託すことに。これが31ヤードから決まって冷や冷や同点。ダブルOTに入ってTexasオフェンスがエンドゾーン直前からのQBスニークを狙ったのをUSCディフェンスがボールを弾き出してターンオーバー!これでまた新人Walk-onキッカーが決めれば勝てる、という展開。USCオフェンスとしては少しでも前に進んでキッカーの負担を減らしたいところでした。がTexasディフェンスがここで踏みとどまりUSCはスタート地点の25ヤードラインからほとんど前進できないまま4thダウン。試合前のレンジはmax45ヤード程度という新人キッカーが43ヤードからキック。これが見事決まってUSC逆転勝ちです。Walk-onの選手にとっては一生の自慢となる大仕事をやってのけたことに。こういうのがカレッジフットボールの魅力ですね。