すばらしいフィニッシュとなったWolrd Cup of Hockey 2016。カナダのホッケーファンにはたまらない逆転劇でカナダ代表が欧州チームを2-1で下して優勝しています。MVPはカナダ代表主将Sidney Crosby。これでCrosbyはこの春のPittsburgh PenguinsでのNHL Stanley Cup優勝に続いての栄冠。2014年のソチ五輪でもカナダ代表は金メダルを獲得しています。

まず敗れた欧州チームの健闘を称えたいと思います。第1ピリオドにあげた1点を守り、逃げ切って最終第3戦に行くかと思われた終盤まで良い攻めも多数。大会前から残りモノの寄せ集めと思われ、大会に入ってからは唯一国歌を演奏してもらえない継子扱いされてきたチームが今大会を大いに盛り上げてくれました。大会前の練習試合でバラバラだったチームががっちりまとまって魅力あるチームになって行ったのは同チームのコーチ陣の努力もあったかと思います。拍手。

残り時間が少なくなりカナダが猛攻をかける中、欧州の主将Anže Kopitarが相手をゴール裏でホールディングしたとして反則を取られたのが痛かった。流れからして致し方ない反則でKopitarを責めるわけにもいきませんが、この反則によるパワープレーでカナダが猛攻。欧州のGK Jaroslav Halakも最後まで難しいパック処理をこなしていたんですが、ついに決壊。Patrice Bergeronの空中パックをはね返したゴールが決まって同点、1-1。

しかしその直後に今度はカナダ側にハイスティックの反則が出て残り2分を切った段階で欧州のパワープレーに。決勝点の起点は、パックが欧州陣深くに入ったところで欧州が無理に早く前に進めようとしたため陣形が縦に間延びした状態でカナダ陣で起こしたターンオーバー。欧州の態勢が乱れているのを突いてJonathan Toewsが欧州陣内へ持ち込み。これ、ショートハンドなので、普通の試合だと人数の少ない側(4人)は前に2人かけてもそれ以上は突っ込んでこないことが多いと思います。人的不利から無理をせず時間を使うことに重点を置く場合が多い。で二人攻撃でどこで打つか、というところに突っ込んできたのがBrad Marchand。今大会のMVPでもおかしくなかったMarchandが突入の勢いそのまま正面からショット。これが見事に決まって44秒を残してカナダ逆転。鮮やか。あっという間の逆転でカナダがWorld Cup制覇となりました。鮮やかすぎて、あれれれ、えええ、といっているうちの逆転優勝。カナダのファンにとってはたまらないでしょうね。いやおもしろい大会でした。

試合中にはNHLコミッショナーGary Bettmanが出演。今大会や次期五輪への参加などについて少し語っていってくれました。正直あまりおもしろい話はなく肩すかしだったが。せっかく珍しくESPNに生主演するんだからもうちょっとサービスして欲しいところ。平昌五輪へのNHLの選手の派遣は今年12月頃までに決めたい、その時期に2017-18年シーズンのスケジュールを決めたいので、ということでした。まあ派遣しないと思いますが。その次の北京には派遣に少し色気を見せたニュアンスでした。World Cup of Hockeyについては次回大会を3年後にするか4年後にするかなにも決まっていないです、とのことでしたが、これだけ盛り上がったのですから次回があるのは確実でしょう。