Russell WestbrookがOklahoma City Thunderと契約延長に合意したと報道されています。意外でしたが伝えられている内容を聞くとああなるほど、という感じもあります。この秋からの3年契約で3年目は選手側に契約破棄の権利あり。元々2016-17シーズンまでは現行の契約があったわけで実質的にThunderが新たに確保できたのは2017-18シーズンのみです。

この契約でThunderが手に入れたものは少なくともこれから2シーズンWestbrookが残る、とファンへの申し訳が立ちFAで離脱したKevin Durantに続いてWestbrookが去って誰もスターのいない空の地方チームになるのを防げたこと。来オフのFAを前にしてWestbrookのトレードの噂話がシーズン中ずっと言われるのを防ぐこともできました。丸1年は間違いなく通年でThunderに残ることでWestbrookはMVP狙い・得点王狙いのシーズンを過ごすことになるんでしょう。

WestbrookからするとDurant離脱で方向性の見えないチームで、トレード期限までいつ放出されるかをうるさく言われずに当面プレーに集中できる。チームに対するフリーハンドを得たことで、Thunder経営陣が(Cleveland CavaliersがLeBronに対してやったように)サラリーキャップの限度を超えて優勝を狙えるサイドキャストの選手を集める意志が本当にあるのかを見究めることができる。経営陣はWestbrookを引き止めるために補強の口約束はしているでしょうがそれが実際にどういう形になるのかは現時点では見えない。Westbrookが短期の契約延長をしたことでThunderが本気になって選手を集められるのか、FAの選手たちがOKCに来てくれるのかどうかなどを見た上で二年後に改めてFA移籍を考える権利を得たということになります。長期契約でないことで選手としての全盛期中にもう一度FA権を確保したのはKevin Durantと同じやり方とも言えます。

リスクとしては今オフ、そして来オフはTV放映権マネーがサラリーキャップ全体を押し上げてサラリーインフレになるタイミングを逃してのFAとなることです。