このオフシーズンにFAとなるKevin Durantの行き先としてGolden Stateという話がときどき出ます。Golden StateのセンターAndrew Bogutが言及したようですね。Bogutは以前にもDurantとポジションがかぶるHarrison Barns(制限付きFA)の再契約についてもマスコミに意見を言ったことがあり、他のGolden Stateのメンバーがその手の話題へのコメントを避ける中、一人ガス抜きの役目を担っているようなところがあります。

曰く「Barnsは他のチームが最高額を提示してもGolden Stateに戻ってくるよ。金額じゃない。」

曰く「なぜウチがKevin Durantを欲しがるのかわからないな。」

このBogutの発言はあまり額面通り受け取るべきではないところがあります。Bogut自身の契約が来季後に切れる予定。ゆえにGolden Stateのサラリーキャップが今季後に一杯(マイナス来季後のStephen Curryの満額契約分)になってしまうと自身の再契約の金額に下方圧力がかかってしまう。ゆえにBarnsに余り高い額で再契約して欲しくない。Durant獲りに行ってサラリーキャップを圧迫して欲しくない。そういう個人的な事情から発言している部分があるはずです。判ることはBogutはGolden Stateとの再契約を望んでいるということぐらいで、中身は余り意味はない。ただ他にこういうセンシティブな問題に言及する選手関係者がいないのでBogutの発言が目立つことになるわけです。


さて本当ところDurantがGolden Stateに来る可能性ってあるんでしょうか。まず肯定材料を少し挙げてみます。DurantがBarnsに代わってGolden Stateに加入した場合、Warriorsはさらに強くなるでしょう。Durantにとっては初の優勝リングへまっしぐらです。例えば同じスーパースターFAでももしLeBron JamesがGolden Stateに加入した場合、Golden Stateは強くなりますか?私にはそうは思えないです。LeBronがBarnsの代わりで献身的にディフェンスに走り回り、コーナー3を決め、チームの3番目4番目のオプションで不満も漏らさずプレーし続けられるか。できないと思います。これがDurantならできる。当然加入当初はチームディフェンスに馴染むのに時間はかかるでしょうが、基本的にDurantは好人物で、目立ちたがり屋でもない。チームプレーヤーだし、ディフェンスにかける情熱も間違いない。Harrison Barnsに対して本当に最高限度額に近い金額で他のチームがオファーした場合、Warriorsはそこまでの金額を出してBarnsを引き止めるぐらいならもう少し出してDurantにアップグレードした方がよほど良いです。Durantの高さと機動力ならGolden Stateの得意とするスイッチディフェンスにフィットするでしょう。それは西カンファレンス決勝での対Golden State戦でPG CurryからC Draymond Greenまでマッチアップできたことで証明済み。Golden StateにとってはBarnsとEzeliの両方のFA選手を失ってもDurantが獲れるなら文句ないはずです。

但し状況的には実現しない可能性は高い。Oklahoma City Thunderのプレーオフでの劇的なチームとしての充実化でDurantにとっては来季もう一度今のThunderのメンバーで勝負してみたいと感じるのは不思議ではない。さらに敗れた相手のGolden Stateに加わることがプライドを傷つける面もありうる。Thunderのファンからは裏切り者扱いされるのは必定。またサラリーの金額的にもThunderとの再契約の方がかなり金額で有利です。それだけ実現しないであろう状況はあっても、Golden Stateが揺さぶりをかけてDurantを追うのは合理性があります。というかGolden StateにとってチームをアップグレードするのにDurant以外に追うべき選手がそうそうあるとも思えません。別途Al Horfordもフィットしそうな良い選手ですけれどポジション的にGolden Stateの事情と考え合わせてどうかというところですね。