NBAプレーオフから敗退したOklahoma City Thunder。その敗退は実に惜しかったです。Kevin DurantとRussell WestbrookのNBA屈指のダブルエースを持ち、迫力ある少数精鋭のサイドキャストでSan Antonio Spursを破り、Golden State Warriorsを瀬戸際まで追い込んだ今プレーオフでの戦いぶりは敢闘賞ものでしょう。そのチームを惜しんで、もしFAのDurantがThunderに残った場合を考えてみたいです。

Durantは制限なしFAですのでNBA30チームのどこへ行くかはDurant次第。オーナーをバカと呼び捨てたDallas Mavericksやすぐに勝てそうにないチームには行かないと思いますが、Boston、Washington、Chicago、Los Angeles Lakersを始め、思い切ってNew York、Cleveland、Golden Stateに行く手だって絶対ないとは言えません。サラリーの都合で言うとThunderに残留するのが一番多くなるという特典もあります。シーズン中はThunderの未来には悲観論を当ブログでも述べていて、移籍必至ではと予想したわけです。ところがプレーオフに入ってからのThunderの戦いぶりが一気にレベルアップ。22歳Steven Adamsが一気にプレミア級の活躍をしたことでチームとしての魅力がアップ。制限付きFAとなるDion Waitersを除けば他の今季の戦力は皆来季も残ります。つまりDurantが決意さえすればWaitersも含めて今プレーオフの続きを来季もう一度やれる可能性のあるチーム構成なのです。

Golden Stateとの最終第7戦の前半で見せたようなパスバスケをさらに進化させていけばさらに上も狙えそうでもあり、Durantの決断次第で来季のThunderは文句なしのタイトルコンテンダーとなることでしょう。

もしThunderの今プレーオフでの7人ローテ(Durant, Westbrook, Adams, Andre Roberson, Serge Ibaka, Enes Kanter, Waiters)の全員が残った場合の補強はというと、なんと言っても信頼できる3ポイントシューターの獲得でしょう。ThunderのロースターにはAnthony Morrowというそこそこの実績のある3ポイントシューターはいますがHC Billy Donovanの信頼を勝ち取れずプレーオフでは意味のある時間帯での出場はなし。カレッジ時代はDukeでシャープシューターとして馴らしたKyle Singlerはプロでの3ポイント成功率は伸びておらず成績の底上げがないとこの面でチームのニーズを埋められない。そうなるとFA市場から誰か獲ってこないといけない。Golden StateのウィングであるHarrison BarnsなんかもFA市場に出てくるでしょう(Golden Stateはあまり高い金額をBarnsには出さないのではないか)し、他にも出物はかなりありそうで、Durantの残留契約を早々にまとめられてもまとめられなくても早めに3ポイントシューターの数は確保したいところ。

Durantが今オフにFAになり、そして来オフにはWestbrookもFAになる予定。そのためもしDurantがThunderに残留契約をしても来オフに選手オプションで契約破棄できる条項を盛り込もうとすることが予想されます。そうなったら来オフにDurantもWestbrookも一度に出て行ってしまう可能性があることになる。つまりは来季2016-17シーズンは現在のチームの核による優勝のラストチャンスのシーズンになりうるということになります。そのチャンスにDurantが賭けてくれるかどうか。決断が待たれます。