カレッジスポーツでは現在冬シーズンのバスケットボール、アイスホッケーがシーズンのフィナーレを迎えています。バスケのFinal Four、ホッケーのFrozen Four、と最終局面に向かうところ。その裏で春スポーツである野球、ラクロス、男子バレーボールなどがシーズン前半を戦っているところでもあります。

先週バスケのMarch Madnessの熱戦があった週末の昼間にラクロスの試合の放送を見ていました。No. 3 Syracuse@No. 5 DukeというACCの試合。ラクロスの世界では両チームともに名門と言えます。試合は双方のガッツを感じさせる大激戦でかなり楽しめました。その日の前後の時間帯や、その前週もカレッジラクロスの試合が多数放送されていて、え、最近はこんなにたくさん放送するんだ、という感じでした。

春スポーツというとアメスポ・学校スポーツの伝統的な流れでは野球だったわけです。秋はフットボール、冬はバスケ、春は野球というローテがある種の王道。もちろん自由主義のアメリカですから個々の興味と体格と才能に合わせて自由に選んで秋にサッカー、冬にレスリングなりホッケー、春にテニスや陸上をやる人も多くいるわけですが、ことステレオタイプな王道パターンはいわゆるプロの三大スポーツとマッチしたその三種目だったのです。その春スポーツでどうもTV放送の予定を見ているとスポーツ専門局は野球からラクロスに大きくシフトしているように見える。これはけっこうな新味であろうかと思います。

各種データからアメリカの子供達が「やるスポーツ」としての野球を選ぶことが減っている(それでもまだ上位ですが)という点は過去に何度も指摘されているところ。では何にシフトしているかというと学校スポーツの春シーズンに限定するとどうも現時点でのその答はラクロスになりそうなのです。他にもサッカーやラグビーという解答もありうるのですが、「見るスポーツ」としての当面の解答としてはスポーツ専門各局はラクロスを選んでみたようです。

以前から指摘しているとおり「待たせるエンタメ」である野球は、我慢強くなくなった21世紀の視聴者にとっては少々問題のあるコンテンツになってきている可能性がある。カレッジであればCollege World Seriesやその前段であるNCAAトーナメント序盤はESPN系列がしっかりと囲い込んで放送してまずまずの視聴率を確保するものの、そうではないレギュラーシーズンの試合は視聴者が待ってくれない。今回、ラクロス放送の攻勢に置き換えられた状態のように見えるのもその文脈上の変化のように思えます。各カンファレンスやTexasは独自の専門局を持っておりそちらでは野球やソフトボールは放送されているのでカレッジベースボールを積極的に見たいという人が見ることのできる試合数はそこそこあるのですが、一般的なスポーツ放送のESPN系などでの放送ではラクロスが優勢になったのかもということです。

ジャンルとしてはまだまだ一般への馴染みはラクロスは野球に大きく劣る現状においては、一般のスポーツファンがたまたまラクロスの試合の放送にぶつかるという機会はラクロスにとっては最良のものでありましょう。まだまだ小さな変化ですが、今季のカレッジラクロスの露出がどういう視聴率を記録していくのか、また将来にどうつながっていくのか興味があるところではあります。