女子フットボールLFLのドキュメンタリー番組が来週からオンエアになるようで番宣を見かけます。LFLで二連覇中らしいChicago Blissの選手達のフィールド上ならびにオフの生活を追った番組でOxygenという女性向けチャンネルでの放送。微妙っすね。なぜ女性チャンネルでやるのかもよくわかりませんし、なぜ今になってLFLなのかというのもふーん?という感じであります。

LFLについては当ブログでもなんどか触れたことがあります。2012年当時にアメリカンフットボールのルールを世界に広める先兵としてLFLが機能するかもというアングルで評価した記事も書いています。あれから3年。経営のゴタゴタと急速な海外フランチャイズ化、選手の離脱、リーグ名の変更(元Lingerie Football League、現Legends Football League)、TV放映の流転、それに伴うコスチュームの微調整などを経て既に忘れ去られかけていたLFL。それを番宣は男性向けスポーツ局でやって、ドキュメンタリーの放送は女性局ですか?女子スポーツというと女性同性愛者向けというターゲットもあり得るんですが、LFLの場合は皆きれいにしていていわゆる同性愛者的なムードは薄い。誰を想定視聴者として焦点を当てているのかもよくわからないですがとにかくやるみたいです。番組タイトルは「Pretty Strong」。美と強調表現をかけている、まあちょっとおもしろみのないタイトルですがまあそれは良いでしょう。

LFLが持続可能な娯楽観戦スポーツとして成立するかどうかですが、どうでしょうか。LFLの競技は本気でやっているとは思いますが、あの競技ルール内で勝てる為のベストアスリートを集めてやっている訳ではない。見映えが参加条件で、見た目の良い女性が活躍できるレベルに競技バランスが調整され、それが壊れないように特殊に大きな選手などは入れていないわけです。こういうものが興業として継続的に成立しうるのかというと疑問はあります。ツアー型ならともかくホーム固定で繰り返し客を呼べるだけのエンタメを提供できるかというとなかなかに難しいように思います。でももし私がNFLの中の人間だったら、過去にも指摘したアメリカンフットボールの先兵としての機能がおもしろいから(NFLにとっては)小金を迂回ででも出資してLFLを存続維持したいと思うんですがどうでしょう。過去選手たちはサラリーゼロでも出場していた(今現在は確認してません)ほどですからNFLにとってはまったく取るに足らない金額で維持できるはずです。

あと微妙に関係があるのかないのか判断を保留しますが、LFLの人気がピークだった2012年頃と現在の間にアメスポにはRonda Rouseyという本当に強い女性アスリートが登場しています。Rondaの人気と過去の女性アスリートとの人気の違いについては過去にも書きました。LFLはRondaのような本気の強さはないですが、思い切って美は取り入れている。強さと美のバランス・さじ加減がこれで成立しうるのかどうかわからないんですが、両面を取り入れてみるという新機軸がいまも模索を続けているという状態でしょうか。