Jordan Spiethがゴルフ全英オープン(とは昨今は言わないみたいですが)の初日木曜日に好スタートを切っています。今年既にMastersと全米オープンを勝ってのメジャー第3戦であるこの全英でも好スタートとなると年間グランドスラムへの期待が膨らむところです。メジャートーナメントに備えて有力選手が前週から英国入りしていたのに対してSpiethは先週末も米国内のPGAツアー戦に参加、プレーオフの末に優勝しています。一生に一度あるかないかのグランドスラムのチャンスのある全英に向けての準備という意味ではアメリカ大陸中央のアイオワ州であった試合に出場することを疑問視する声もありましたが本人は気にせず出場。他の有力選手が既に現地入りして会場となるOld Course at St Andrewsで練習ラウンドに出ている間にアイオワで逆転勝利。遅れて乗り込んだ肌寒いスコットランド。時差や気温差など調整には気をつかうのではと思いますが、そんなことを感じさせない第1ラウンドで首位に2打差。現在21歳。怖い者知らずというところか。全英オープンに出場するのはこれが三度目でOld Course at St Andrewsには初登場。突風吹く難コースとして知られる同コースに初登場で好位置での発進はとてつもないノリノリの状態なのでしょう。報道する側から見ても魅力のあるところでもあるでしょう。

先週終わったテニスの全仏オープンで女子シングルスでSerena Williamsがメジャー四連勝(昨年の全米オープン含む)で「Serena Slam」を達成。来月の全米オープンで年間グランドスラムを狙うことが確定してます。他にはグランドスラムとは呼びませんが競馬の方でAmerican Pharoahが1978年以来の三冠を達成していますし、今年は総ナメをする選手が各ジャンルで発生しようとしているようです。おもしろい巡り合わせだと思います。

Serenaのグランドスラムはそれなりに話題性はありますがいかんせんベテラン選手。知名度は高いが新鮮さはゼロ。もしSpiethが全英も取って年間グランドスラムに王手をかけたらSerenaよりも話題性があることになるでしょうか。それともSerenaとSpiethがセットで「グランドスラム挑戦の二人」というような取り上げられ方をするようになるのか。

テニス・ゴルフ・競馬というジャンルはアメスポ全体の中では脇役ではありますが、脇役であるからこそ一般の耳目を集める極のスターが必要です。Williams姉妹はその役目を長年果たしてきました。ゴルフではそれはTiger Woodsでした。Serenaはその長年のアメリカテニスの看板役の集大成としてグランドスラム挑戦へ。Tigerの方は全英オープン第1日、苦しいスコアを出してしまっています。これも対照的か。Tigerが期せずしてゴルフ界の看板男の座をSpiethに譲り代替わりする歴史的・象徴的なメジャー大会になるかもしれません。