先日のサッカー女子W杯決勝の視聴率、すごい数で確定したようです。2540万人という素晴らしい数字を叩き出しました。昨年の男子サッカーW杯決勝で出した米国サッカー史上最高記録を塗り替えて再び女子サッカーがトップに立ったことになります。昨年の男子決勝での最高視聴率更新についての考察は当時リンク先の記事でしています。1999年の女子米国大会の米中によるPK戦決着の試合が突発的にサッカー史上最高を記録。その後15年間男子であろうと女子であろうとその数字を超えることができなかったのが昨年2014年にやっと男子決勝がその記録を塗り替えたんですが、僅か一年後に再び女子が視聴率で米国サッカー史上最高値を得てトップに。

いろいろなことが言えると思います。1999年当時と比較して男女にかかわらずサッカーへの認知度はかなり上昇しました。W杯での視聴率が飛び抜けているのは事実ですが、それ以外の群小のサッカー放送も10年前に比べたら何倍もの数字を出している。もちろん10年前が極低かったから何倍なんですがそれにしてもその底上げが男女ともに注目を集める試合での最高記録を更新できるところまでサッカーを押し上げたと言えます。


ただ指摘しておきたいのですがW杯の数字が出たと言ってそれがアメスポの中で地殻変動が起こるようなことが起こるわけではないということです。サッカーの地位が上がったその証は今回立ちましたが、それが3大スポーツや4大スポーツを脅かすということには直結しないということです。

例えば2010年の冬季五輪のアイスホッケー決勝が2760万人という数字を出しました。奇しくも場所も女子W杯決勝と同じバンクーバーでの五輪です。確かに女子サッカーは凄い数字を出しましたけれど、同じ場所、同じ日曜日の地上波放送ででホッケーがそれ以上の大変な数字をほんの5年前に出しているのです。ではホッケーはその後人気が伸びて上位であるフットボール・野球・バスケットボールに迫ったりそれらの人気を喰ったかというとそんなことは起きませんでした。たぶんサッカーでも同じことになるでしょう。サッカーがこのW杯の成功で一気にホッケーを押しのけるようになるというのは難しいし、さらにその上の3大スポーツを凌駕するというようなことはまだまだ起こりません。その辺りを勘違いした荒唐無稽な報道を日本でのみやってるんですが、あれやめてもらいたいところです。毎回そういうおかしな煽りに簡単に乗せられてしまう困った人が出る(そして当ブログにもからんでくる)のも四年に一度の風物ぐらいに思っておいた方がいいのでしょうか。


それでも1999年よりはずっとサッカーの立ち位置は良くなっている。男女ともプロリーグが存在しこの勢いをなんとかそれぞれのリーグに還元しようとしている。うまくつながるかどうかはわからないですが女子リーグが存在せず、男子MLSも貧弱だった1999年といまとでは比較にならない条件の良さかと思います。NWSLに四年前のWPS当時ほどの風が吹くかどうか。そしてそれがどれほど続くか。WPSはその翌年に潰れています。

以前にも取り上げましたが女子リーグがあることを当然のように思って協力しない選手も出てきています。1999年当時は女子リーグなんて夢の企画で、当時の代表メンバーは引退確定路線だったCarla Overbeckなども含めてほぼ全員が新リーグWUSAの設立に協力したものですが昨今はそうでもないのも違いと言えば違い。自分たちが頑張らなくても女子リーグがあることが当たり前になってきたという意識の違いは如実です。リンク先の記事ではAbby WambachがプロリーグNWSLに不参加であることについて書きました。他にはW杯後にLauren Holidayも代表引退を明言。家族との時間を大事にしたいという言い方からしてNWSLからも遠からず引退する可能性があります。Holidayの場合は夫がNBA選手Jrue Holiday。NBAの中では大した選手ではないですがNBAの最低クラスのサラリーでもミリオン単位。Holidayが安いサラリーで春夏のNWSLに参加していると夫のオフシーズンがちょうど丸々自分のシーズンになってしまうので時間が取れないということになるんですね。なのでNWSLで2013年にMVPにもなったHolidayも離脱の可能性は高い。Abbyのように自分の稼ぎが良かった人や、Holidayのように夫の稼ぎが良い人はラッキーなので、他はNWSLにとどまる選手が多いと思いますが。Alex Morganなんかは以前にも紹介しましたが配偶者はあまり冴えないMLSの選手。今季Sporting Kansas Cityの16試合中9試合出場6試合先発。結婚発表当時からサラリーもあまり増えてないみたいです。Holidayの夫の30分の1ぐらいですか。妻Alexとは80倍ぐらい違います。NBAとMLSでは比較にならないです。今季は7本シュートを放ってオンゴールゼロ得点ゼロです。キャリア通算ゴール1は結婚当時から増えてません。お金の面ではHolidayは引退できるけどMorganはできないですよね。Holiday27歳、Morgan26歳と年齢はさしてかわりません。