NBAプレーオフの一回戦、下位シード対トップシードの対戦は試合自体は激戦でも結果は3勝0敗のカードが続出中。これは毎年のことなので驚くこともないです。この意外性のなさぶりがNBAプレーオフ一回戦の難点ですね。3位 x 6位、4位 x 5位は接戦になりますが、そちらの勝者は二回戦で明確なアンダードッグになってしまう場合が多いので…


表題の件です。Boston Celticsは今季東の7位としてプレーオフに登場。2位シードながら東で最有力と言えるCleveland Cavaliersに0勝3敗、明日日曜日にも敗退しそうです。敗退は良いのですがCeltics、よくこんなメンバーでプレーオフに進出、かつ試合内容も決してCavaliersの一方的というわけでもない内容に持ち込んでいるなと思うわけです。こんなメンバーでプレーオフに出場=ドラフトくじ参加不可では今後もエース級の選手を獲得することができず再建が苦しくなってしまうのではないのでしょうか?同じプレーオフ全敗敗退見込みでもNew Orleans PelicansにはAnthony Davisという今後もフランチャイズを託せる将来のリーグMVP候補を持っているわけですがCelticsにはそれがいない。

カレッジで小規模校を二年連続で全米準優勝に導いたHC Brad StevensをBoston Celticsが強奪したときは当ブログでも嘆いてみました。Celticsが当時のエース級を放出して再建を目指す、その土台としてStevensを得たわけです。あれから二年。こんな現有メンバーでプレーオフに登場してしまうのはCelticsのフロントからすると誤算なのではないでしょうか。

Celticsに優勝をもたらしたベテランKevin GarnettとPaul Pierceを放出して新時代を目指すことを内外に宣言しての再発進。生え抜きだったPierceまで出したことでCelticsの本気ぶりは明かでした。残したのは若手エースのRajon Rondoだけで、これでしばらくは勝てないだろうがドラフトで核になる選手を獲って…という思惑だったはずです。ところがRondoだけでけっこう勝っちゃったものですから結局Rondoも放出。Rondoの場合は性格難という話もありましたから別の側面もありますがとにかく放出。ロースター的にはNBAの底に落ちてもなんら不思議のないメンバー。ところがそれでもBrad Stevens、勝たせてしまうんですね。今季プレーオフ到達。これじゃいつまで経ってもドラフトからエース級を補強できません。

つまり優秀過ぎるのではないのか。Stevensがミッドメジャー所属だったButlerを二年連続で全米優勝戦に導いたように才能レベルで劣るチームをきっちり仕立て上げて勝ち抜いている。その手腕は賞賛してしかるべきですが、Celticsの事情には大いにマイナスでもあるジレンマとなっていると思います。再建に逆行にすらなっている優秀さではないでしょうか。サラリーキャップの見直しが入る来季後のオフがありますからそこでフリーエージェント市場に打って出て補強するというチャンスはありますが。