サッカーMLSのシーズンが今週末予定通り開幕になることになりました。まだ妥結がリークされた段階で評価は定まっていないんですけれど、過去から見てきた身からするとこれは選手会側の敗戦と考えていいように思われます。

最大の眼目だったFAの問題は8年以上在籍28歳以上の選手のみ可で、さらにその最高額も強い制限がかかっており形だけのFAという感じがします。チームのサラリーキャップも年間350万ドル(15%アップ)にとどまったのでFAで転出したところで交渉余地がそもそも少ないまま。最低サラリーがこれまでの$36,500(細かい)から$60,000まで大幅アップを勝ち取ったことで末端の選手がなんとか一般市民並のまともな生活ができる程度になったというところが最大の成果でしょうか。まあ確かにこの部分を手当しておかないとストで収入が減るのが怖くてストに同意できない若い選手が多くなってしまいますから、仕方ないとも言えます。それが今回の交渉で選手会側が強腰になりえなかった理由でもあるのでしょうし。これであと五年間はMLSの経営は安定したものになるのでしょう。

それにしても選手会側がここまで惨敗してしまうのかとちょっと残念に思います。MLSは注目度が低いせいもあってあまり細かい交渉の経過がニュースにならなかったのも不憫な感じですね。ファンを味方につける機会がない。まあ選手たちは不遇と言えますが、チームとしてリーグとしては安定経営の基盤を維持したということでさらなる上昇を期待したいところではあります。