昨年のLittle League World Seriesの優勝が取り消されたという話が今朝のスポーツメディアの話題です。  これはけっこう色々な切り口が出てきそうですしアメリカらしい話だなという気がします。

 

それはまた改めてやるとして別のおもしろいなと思った話題を。ESPNで流しているクリケットW杯の宣伝に新たな流れを実感したというお話です。

オーストラリアで今月末から開催されるクリケットの国際大会。アメリカではクリケットを見ることは稀だったのですが、いつものキーワード多局化とスポーツコンテンツ不足の理由から遂にESPN系はクリケットの放送にまで手の込んだ番宣を付けてまで売り出すのかと感心しているところです。  

アメリカでは人気が限定的だったサッカーの男子W杯がアメスポメディアのメインストリームのスケジュールに乗り始めたのは南ア大会が初めてだったと言って良く、つい最近の話です。2002日韓大会当時など誰も話題にもせず人知れず開催、自国開催の1994年当時も露出は極々限定的でした。それまでは欧州や世界各地で人気のサッカーに対するアメスポマスコミの扱いは「うーん。他所では人気があるのかもしれないけど、これはアメリカではウケないわ。スルー」という態度だったのが、推してみたらちゃんと反応があるじゃないか、と変わっていったわけです。極端な多チャンネル化で視聴率の及第点が下がったこともありますが、とにかくサッカーでも今の基準なら及第できることがわかった、と。  

その後、アメスポマスコミがアメリカではこれまで認知度の低かった欧州の人気スポーツをちょろちょろと紹介することが増えました。サッカーの成功を真似た二番煎じ狙いです。ラグビー、自転車ロードレース、F1、MotoGP、Dakarなどなど。どれも決してまだアメリカで人気化したとは言えないものの目にする機会は確実に増えてきました。そしてクリケットも同じ文脈で徐々に放送が増えていたところでの今回の大会、その紹介番宣となりました。ここまで大々的に大手ESPNが推すのは初めて。巨大人口を抱えるインド亜大陸での人気の厚さがあるためこと世界での推定ファン数では野球を凌駕するという紹介を含めてルールを概説するこの番宣。クリケット教育をしてクリケットを新たなるサブジャンルとして育てる意志が感じられます。  

個人的にはラグビーが好きな私はESPN系がラグビーW杯も放映権を持っていたら良かったのにと思いました。ESPN系の方が圧倒的に影響力が強いですから。今夏のラグビーW杯はNBC系での放送となります。