NBA現役最大のスターであるLeBron Jamesがオプションを行使、FAとなっています。Miami Heatに四年間在籍。四年連続でFinalsまで進んだものの初年度と今年は優勝を逃し、二度のNBA制覇にとどまりました。とどまった、という表現自体がハードルの高さを示すわけです。四年間で二度優勝、二度準優勝でも期待値を下回っているように見えてしまうのはLeBronを含むBig 3によるスーパーチーム結成の四年前の興奮ゆえ。実際にこの四年間のHeatを超える成績を残したと言えるのは三連覇をしたLos Angeles LakersかChicago Bulls、または大きく時代を遡ってBoston Celticsの八連覇しかない。それでも批判されてしまう、がっかりされてしまうというのはキツい宿命と言えます。

特に先日終わったばかりのNBA FinalsでSan Antonio Spursに惨敗の連続で失冠したのはイメージが悪い。HeatはDwyane Wadeのコンディションが大きく低下し、LeBron自身もプレーオフ後半になって精彩を欠きました。今年が惜しかったから来季にまた頑張ろう!と言うにはちょっと怪しいチーム状況なのです。Finalsの相手だったSpursの方は38歳Tim Duncanが前日に来季もプレーすることを選択したばかり。これでSpursの方はDuncan, Parker, Ginobiliのベテラントリオが揃って来季もSpursでプレーすることになっています。あれだけ惨敗したSpursがベテランも維持、他の若手の好選手も戻ってくるとなると来季もSpursは優勝候補。あれだけ木っ端みじんにやられたLeBronにとってはHeatにとどまってSpursに対抗するのは限界だと判断しても不思議はないところです。

既にNew York KnicksからFAで転出済みの同期の友人Carmelo AnthonyとLeBronの二人がセットで新スーパーチーム結成が予想されます。問題はこの二人の規程上限サラリーを払えるチームがどれぐらいあるかというところ。早々と手を挙げているとされるのがLeBronの前の所属先だったCleveland CavaliersとAtlanta Hawks。Cavs、ありそうなんですよね。Cavsに対するLeBronのコメントが昨年ぐらいから変わってきていて、Clevelandへの帰還の下均しかなという感じがありました。さらにここに割って入ろうというのがLos Angeles Lakersだとされます。Kobe Byrantがシーズン欠場してプレーオフすら逃がした今季でしたが、Kobeはシーズン中から「NBA史上に残る猛烈な復活劇が始まる」と気合いの入った予言コメントを残しています。Kobe, LeBron, MeloのトリオとなればHeatでのBig 3を超える超弩級の史上最強のBig 3結成となりますが、キャップルームはあるのか。いまKobeはブラジルでサッカー観戦三昧で楽しんでいますが、LeBronのFA宣言を受けてLeBronのLakers加入に向けて国際電話する準備をしてるんじゃないかな、なんて想像します。FAが成立する以前にそういう電話をするとタンパリングのルール違反になります。