速報値で日曜日のサッカーW杯ブラジル大会米代表 x ポルトガルの試合の視聴者数が発表になっています。1,820万人がESPNで視聴、1999年に記録したアメリカに於けるサッカー放送の史上最高視聴者を更新しました。1999年の女子W杯アメリカ大会の決勝戦が1,790万人の視聴者を記録したのがこれまでのサッカー放送における最高視聴者数でしたがこれを15年ぶりに更新したことになります。Mia Hammを含む女子代表によるあのPK戦の試合をついに男子が更新。なにやら感慨深いものがあります。
15年前のあの試合の視聴率はなにか突発事故のようなものでした。
前触れもほとんどなく突然あの試合が全米を魅了してしまったのがアメリカサッカーにとっては良くもあり、悪くもあり。良かったのはなにはともあれ何らかの条件が揃えばサッカーもこんなに人が見るんだ?という可能性を示したこと。悪かったのはまさに突発的に起こってその後にうまくつながらなかったことと、女子代表は強いが男子は糞弱いという決定的なイメージを一般大衆に与えてしまったことです。
あの試合の後も女子代表は世界最強レベルで競い続け、北京でブラジルに歴史的大敗を喫したり、ドイツW杯でなでしこジャパンとの熱戦の末に敗れるなどはあって常勝とまでは言えなくとも一般のイメージとして女子代表は強いというのは連綿とあの15年前以来維持していると言えます。小柄で可憐なMia Hammから大柄で見るからに同性愛者風のAbby Wambachに代替わりをしたことでスポーツ観戦の主体である一般男性へのアピール度は減じた(MiaとAbbyのCM露出を比較すれば明か)でしょうが、年少者への人気は広く浸透しました。よくサッカーの人気が年少者でベースボールより高いといったような統計の数字が出たりしますが、あれは女子代表人気が相当部分を占めているはずです。
女子が人気が高いのに比べて男子は弱いという言い方をされるのは他国の力の入れ方が違う、環境が違うのですから男子代表には酷なのですがとにかく男子サッカーが劣るというイメージはあの15年前の女子の活躍とセットで長年男子サッカーにこびりついていたと思います。それが15年の時をかけて遂に男子サッカーがあの歴史的試合を視聴率で超えたわけです。
あのーアメリカのサッカーの昨年一年の全試合で視聴率トップというとメキシコ代表の親善試合でした。米代表ではない。サッカークレイジーなメキシコ移民がこぞって見るスペイン語放送のメキシコ代表の試合が、米代表その他すべての他のサッカー番組を押しのけてトップなのがアメリカのサッカーの現実です。そして歴史的に見ても史上最高は女子の試合であって男子ではなかった。男子代表や男子国内リーグは女子やメキシコ代表にイメージで下回っていた。今回のサッカー史上最高視聴率者数達成(訂正しました)で男子サッカーへのイメージや偏見が全部ひっくり返るとも思いませんが、いよいよアメリカサッカーが一皮剥けていく次の段階が見えて来たかなという気はします。
最初の失点がなければ…、Bradleyのシュートが決まっていれば…と、いろんなタラレバが浮かんでくる試合でした。
流れに乗っているときは両サイドバックの思い切った攻め上がりやJones, Bradleyのミドルなど迫力ある攻撃が展開できていたように思います。こういうサッカーがKlinsmannのやりたいサッカーなら、なるほどDonovanを呼ぶ必要はないなと思いました。ただ、所謂「頑張り屋さん」ばかりのチームには限界があるので、彼(の後継者足りうる人)を呼んだ方がより上に行けるチームを作れるのではないかとも思います。このあたりは今大会後のチーム作りの注目ポイントになるのではないでしょうか。
Beckermanは派手な外見の割に地味ながらなかなか気の利いた仕事をしていたと思います。ボールが詰まった時に顔を出してパスコースを供給したり、サイドバックや真ん中の選手が上がった後のスペースを埋めたりと攻守に貢献していたと思います。人は見かけによらないものですね(笑)。
乱文失礼しました。